失われる前に、磐田の記憶を記録し、次の世代へ手渡す
磐田物語 地区別入口ページ

見付地区

よみがな:みつけ / 磐田物語 地区分類番号 01001

旧東海道の宿場「見付宿」、遠江国府・遠江国分寺の故地、府八幡宮見付天神(矢奈比賣神社)・旧見付学校など、磐田の歴史的記憶が幾重にも重なる、市の中心部にあたる地区です。

見付地区の旧東海道・宿場・寺社・学校の記憶を表した模式図
見付地区の記憶をたどる入口図 ── 旧東海道と宿場、寺社、学校の重なりを表した模式図です(地理を正確に示す地図ではありません)。
この地区分類は、現在の行政区分をそのまま写したものではありません。旧町村の沿革、学校区、大字、生活圏、地域の記憶をもとにした、磐田物語独自の分類です。内容は今後の資料確認により随時更新します。

見付は、磐田原台地の南の縁に開けた町です。古代には遠江の国府が置かれ、江戸時代には東海道の宿場として東西の旅人を迎え、明治8年には擬洋風の見付学校が建ちました。国府、宿場、学校、祭り ── ひとつの町にこれだけの時間が層になって残っている場所は多くありません。このページは、その見付の記憶をたどるための入口です。まずは三つの扉から、どうぞ。

はじめて見付を読む方へ ── 三つの入口

祭り
見付天神裸祭

国指定重要無形民俗文化財。宿場町ぐるみで受け継がれてきた夜の祭礼。

建物・学校
旧見付学校

現存最古級の擬洋風校舎。明治の学びの記憶をたどる。

史料
佐口行正氏所蔵史料

引札・浮世絵・古地図・絵葉書など約336点。紙片が伝える見付の記憶。

見付の記事を探す

見付地区に関係する読み物・特集・史料ページを、新着を上にして並べています。テーマ別に絞り込むこともできます。

表示中:205

見付地区の記事一覧
No.タイトルテーマ概要公開日
1見付宿助郷68ヶ村 ── 宿の外側に広がった人馬供給圏交通見付宿の助郷は第一期68ヶ村から84ヶ村、123ヶ村へ組み替えられた。助郷村表と…
2助郷高と領主支配 ── 見付宿の役をどう村へ割り付けたか交通村高、助郷勤高、実働人馬を区別し、相給村と複数宿への割付から助郷表を行政の設計図…
3助郷人馬の賃銭と代勤 ── 労役はどこまで金で置き換えられたか交通天保10年の買馬約1,100疋分・買人足約6,600人分を起点に、自前出役、代勤…
4水野氏記録が見た幕末の見付宿 ── 上洛・御札・橋普請交通水野家日記、問屋御用留、小遣帳から、将軍上洛、伊勢参宮、御札降り、舟橋普請に揺れ…
5伝馬所から駅逓へ ── 明治初年の見付宿駅制改革交通明治元年の伝馬宿改革、新助郷、駅逓司・駅逓役所、旅行帳から、旧宿駅が近代交通制度…
6見付宿の本陣と脇本陣 ── 三郎右衛門・孫兵衛・新左衛門交通見付宿には本陣2軒と脇本陣1軒があった。南側の本陣を三郎右衛門、北側の本陣を孫兵…
7旅籠屋の間口と奥行 ── 天保13年の39軒を測る交通天保13年(1842年)の見付宿で、書上帳が家作を伝える旅籠屋は39軒であった。…
8宿泊料と食事 ── 木銭・旅籠銭・宿割の実務交通旅の宿代は、一つの定価ではなかった。木賃宿では旅人が米や薪を持ち込み、宿へ木銭を…
9飯盛女と宿場統制 ── 59人の記録をどう読むか交通天保13年(1842年)の見付宿では、書上帳に飯盛女59人が記された。年齢は16…
10見付宿の職業分布 ── 448軒の町場経済交通天保13年(1842年)の見付宿職業分布は、宿内448軒におよそ71種の職業を数…
11見付宿の歳入 ── 天保10年、誰が宿場の費用を負担したか交通天保10年の歳入を賦課金・伝馬賃銭・助成金・特別借入金・財産収益に分け、宿民・助…
12見付宿の歳出 ── 713両の運輸費と宿場を動かす固定費交通運輸費713両余、給料422両余を軸に、交付金・返却金・問屋場入用を読み、天保1…
13宿助成のしくみ ── 貸付利子・補金・返済猶予で支えた見付宿交通幕府関係の元金を貸し、その利子を伝馬助成へ回し、未収時には補金・別口助成・返済猶…
14見付宿の伝馬制 ── 人馬継立はどう動いたか交通道中奉行と中泉代官という二重の支配、慶長6年から明治5年までの年表、そして宿駅制…
15馬をどう補ったか ── 見付宿の伝馬補充と馬持の負担交通定数の馬と、その日歩ける馬は違う。補充の三経路、公定価格に縛られた収入と市場価格…
16御用継立の実務 ── 証文・無賃・割増を見分ける交通幕府は無賃、諸藩は御定賃銭、庶民は相対賃銭。同じ馬に三通りの値段がついた仕組みと…
17大通行が見付宿に来た日 ── 人馬・宿泊・助郷の総動員交通文久2年の御上洛御宿割下帳は見付宿を1,083軒と数えた。宿泊の割り当て、寺の収…
18見付宿から天竜川へ ── 池田の渡船につなぐ人馬継立交通東の袋井へ1里半、西の浜松へ4里半。賃銭を比べると距離比を1割強上回る。見付宿に…
19見付宿の財政 ── 天保10年の勘定帳から読む宿場経営交通天保10年の勘定帳を全頁照合し、歳入5区分、主要支出、天保11年と元治元年の変化…
20人足100人・馬100疋とは何か ── 見付宿の常備人馬を読む交通百人百疋は実在の数か、負うべき義務の量か。読み方によって同じ数字の意味は変わる。…
21本馬・軽尻・人足 ── 荷物に応じて変わる継立の単位交通本馬234文、軽尻151文、人足117文。二つの区間で比率がほぼ一致することから…
22見付宿の人馬割 ── 誰が何人・何疋を出したのか交通間口2間の家が約2割、11間・13間は庄屋の家。伝馬役は表間口の間数で割り付けら…
23先触れから出発まで ── 見付宿の継立手順をたどる交通先触の到着、御朱印の照合、人馬の割当、荷の積替え、次宿への引渡し。継立一件の手順…
24待つことも負担だった ── 人馬の待機と見付宿の日常交通賃銭は区間に対して定められ、待たされた時間には欄がない。帳簿に残らないこの負担か…
25伝馬を飼う ── 飼料・馬具・病馬から見る宿駅の維持費交通見付宿にもっとも古く残る絵図は、馬の草をめぐる訴訟の産物だった。岩井野の秣場と無…
26継立帳簿は何を記録したか ── 人馬・賃銭・証文を残す実務交通問屋御用留、明細差出帳、庚申帳、絵図 ── 性格の違う史料を分けて読む。数値が食…
27大通行の人馬数を比べる ── 動員規模と助郷の広がり交通定数と実働数、予定数と実績数、基準額と実徴収額。数字を比べる前に揃えるべき区別を…
28『東海道遠州見付宿』を読む ── 昭和20年に擱筆された見付宿研究(特集)交通磐田市誌シリーズ第二冊(田中友次郎編著、1974年刊)の来歴・構成・史料を紹介し…
29見付宿のすがたと戸口 ── 木戸から木戸まで、家数と人口を数える交通天保13年の絵図で宿を東から西へ歩き、寛永15年の225軒から明治12年の1,4…
30宿を動かした人々 ── 名主・問屋・年寄・組頭と伝馬役の負担交通天保13年の名前帳に残る宿役人9名の顔ぶれ、問屋給米、間口で決まる伝馬役の負担を…
31中泉代官と見付宿の年貢 ── 安政3年の年貢割付を読む交通中泉代官所の来歴と、今川氏以来の永高で計算された見付宿の年貢、附加税、御囲蔵の備…
32火事・洪水・祭礼 ── 見付宿の災害史と天神祭の拝殿踊交通見付宿の災害史年表、中川・加茂川の治水と橋の掛替普請、祇園と天神の祭礼、文化14…
33遠江の宿駅はどう移り変わったか ── 平安から江戸への駅名変遷表を読む交通猪鼻・栗石から橋本・池田・国府、そして見付へ。五時代の遠江宿駅変遷表を読み、名を…
34見付宿の十一ヶ寺と二社 ── 朱印高191石の寺社世界交通十一ヶ寺の宗派・本寺・朱印高・所在を天保15年の記録から一覧化し、堂庵の網と寺の…
35問屋場はどこにあったか ── 見付宿の心臓部と六枚の高札交通天保13年の宿絵図から問屋場の位置と規模を復元し、人足部屋・馬小屋、六枚の高札、…
36見付町 小字・地名資料 ── 宅地・畑・田の名が残す土地の記憶交通見付町地名一覧を宅地・畑・田に分けて翻刻し、鐘鋳塚・元天神・城ノ腰などを本書の記…
37伝馬賃銭のしくみ ── 御定賃銭・相対賃銭と幕末の物価騰貴交通見付から浜松まで本馬234文、袋井まで69文。御定賃銭と割増、そして自由契約の相…
38幻の大見付城 ── 家康が築こうとして中止した城と「古城郭二ヶ所」の記録交通永禄12年に家康が築きかけ用水の関係で中止した大見付城と、明和7年差出帳が伝える…
39絵図で読む見付宿の周縁 ── 御伝馬自林絵図と御普請所絵図交通御伝馬林と自林、御普請所と自普請所。二枚の絵図が描いた権利と義務の境界線から宿の…
40見付の引札 ── 明治の商店・図柄・版元を一枚の広告から読む史料/交通/暮らし佐口行正氏所蔵史料と磐田市教育委員会文化財課資料をもとに、見付の引札を商店名・図…
41『舞車』から深掘りする12の研究キーワード祭り国立能楽堂上演資料集『舞車』から、見付宿、東坂・西坂、舞車神事、伝本、復曲、作り…
42国立能楽堂上演資料集から読む『舞車』─ 諸本・節付・復曲上演祭り国立能楽堂上演資料集〈2〉をもとに、渋田虎頼等節付本・光悦流書体六十番綴本・江戸…
43見付天神裸祭 起源三説の学史的検討 ── 歓喜踰躍舞説・人身御供悉平太郎説・反閇説の伝承史と史料批判社寺/祭り/記憶見付天神裸祭の起源をめぐる歓喜踰躍舞説・人身御供悉平太郎説・反閇説の三説を、史実…
44見付守護所 ── 遠江守護支配の拠点をめぐって沿革/記憶遠江守護所が見付に置かれた経緯と、守護所の位置比定・機能をめぐる論点を、史料と伝…
45見付天神裸祭の神事構造 ── 八日間の神事が示す意味の秩序社寺/祭り見付天神裸祭の一連の神事(浜垢離・堂入り・鬼踊り・闇の渡御・還御)を、八日間の日…
46姫街道と見付 ── 東海道から分かれるもう一つの道交通/記憶見付から分かれる姫街道(本坂通)の歴史・機能と、東海道本道との関係、「姫街道」と…
47家康はなぜ見付に本拠を置かなかったか ── 城之崎築城の中止と浜松移転沿革徳川家康が見付(城之崎城)ではなく引馬=浜松を本拠に選んだ経緯、城之崎築城の中止…
48淡海國玉神社 ── 遠江総社の成立と機能社寺/記憶淡海國玉神社(遠江総社)の由緒・祭神と、「総社」という制度、見付の中心性・裸祭渡…
49悉平太郎伝説の考察 ── 早太郎との異同と猿神退治の系譜社寺/祭り見付天神の霊犬・悉平太郎伝説と、信濃・光前寺の早太郎との異同、猿神退治として類型…
50見付祇園祭 ── 淡海國玉神社と天御子神社を結ぶ夏祭り社寺/祭り見付祇園祭の由緒と、祇園(牛頭天王)信仰の受容、淡海國玉神社と天御子神社を結ぶ渡…

どこから読むか迷ったら ── 時間の道しるべ

時代の流れに沿って読みたい方は、この順でどうぞ。

歩いて出会える記憶 ── 見付の主な文化財・史跡

読み物でたどった記憶の多くは、いまも町のあちこちに形として残っています。『ふるさと散歩』(磐田市教育委員会文化財課)ほかをもとに整理しました。指定内容は変更されることがあります。

見付を代表する文化財・史跡(5件)
名称指定区分ひとこと磐田物語の記事
旧見付学校 附 磐田文庫国指定史跡現存最古級の擬洋風校舎と、幕末の私設文庫。記事を読む磐田文庫
見付天神裸祭国指定重要無形民俗文化財矢奈比賣神社の祭神が総社へ渡御する夜の祭礼。特集を読む
淡海国玉神社本殿県指定遠江の総社と伝わる「中のお宮」。三間社流造。記事を読む
旧赤松家(門・塀・土蔵)県・市指定赤松則良ゆかりの煉瓦塀と門が伝える近代の見付。記事を読む
兜塚古墳と甲塚のクロガネモチ県天然記念物ほか直径84m・東海地方最大級と判明した円墳と、北側に育つ巨木。古墳を読む巨木を読む
残り11件の文化財・史跡を見る
名称指定区分ひとこと磐田物語の記事
宣光寺の仏像(地蔵菩薩坐像・毘沙門天立像)県指定平安時代の様式を伝える2体の仏像。調査予定
阿多古山一里塚市指定史跡江戸日本橋から数えた東海道の一里塚。記事を読む
見付本陣(神谷家・鈴木家)墓所市指定史跡西光寺に眠る本陣の家。宿場運営の記憶。記事を読む
西光寺表門(中泉御殿の表門)市指定徳川家康の別荘・中泉御殿から移されたと伝わる門。調査中
西光寺大クス附ナギ・イヌマキ市天然記念物宿場西端の寺に育つ社寺林の巨木たち。大クスイヌマキ
聖観音菩薩立像(福王寺市指定平安時代に造られた3間1戸の薬医門の寺に伝わる立像。調査予定
省光寺のイチョウ市指定樹高18.7m、推定樹齢240年。寺子屋の記憶とも重なる。調査予定
慈恩寺の雲板市指定応永26年(1419年)銘。食事や坐禅を告げた鳴物。調査予定
一の谷中世墳墓群発掘・一部移築復元約800〜400年前の人々が葬られた中世墓地。記事を読む
城之崎城跡伝承地徳川家康が築きかけた未完の城。特集を読む
池田近道(姫街道)街道遺構見付宿から池田の渡しへ向かう西の小道。記事を読む

「調査予定」の項目は、資料確認・現地確認ののち、順次読み物として公開します。この一覧は地区の記憶の目次を兼ねており、記事が増えるたびにリンクへ置き換わります。

見付の成り立ち ── 宿場町から磐田市へ

こうした記憶を生んだ見付という町が、行政のうえでどう歩んできたか。おおまかな流れは次のとおりです。

東海道 見付宿 江戸期 → 見付町 明治22年(1889年) → 磐田町 昭和15年(1940年) → 磐田市 昭和23年(1948年) → 新・磐田市 平成17年(2005年)

町村制で単独の見付町となり、中泉町などとの合併で磐田町、市制施行で磐田市へ。平成の大合併で現在の磐田市の中心部となりました。沿革の年表、旧町村・大字の対応、現在の学校区と大字は、別ページで詳しく整理しています。

見付の成り立ちを詳しく ── 沿革年表・学校区・大字

見付の記憶を、次の世代へ

この地区に関する古写真、古い地図、昔の屋号、商店、学校、祭り、建物、地名、言い伝えなどの情報を募集しています。確実な史料だけでなく、「昔こう聞いた」という記憶も、地域を記録する大切な手がかりです。確実な史料と地域の記憶は分けて整理し、次の世代へ手渡していきます。

この土地・家の記憶を残したい方へ

見付をはじめ磐田市・袋井市で、相続した実家・空き家・土地建物のご相談を、地域で暮らし不動産に関わる立場から承っています。

作成方針・参考資料

作成方針

旧町村の沿革、現在の学校区、大字、生活圏を総合して分類する。断定できない情報は「要確認」「調査中」と明記する。地域の記憶は史実と分け、集合知として集めて随時更新する。

参考資料・出典

磐田市公式資料(地区別人口・通学区域ほか)/『見付町』『磐田市』ほか沿革に関する公開資料/磐田市教育委員会文化財課『ふるさと散歩 見付編』/磐田市史・旧町村史・地域資料/佐口行正氏所蔵史料

古い地名や集落の成り立ちを調べていると、家や土地には、登記簿だけでは分からない地域の記憶が残っていることがあります。相続した家、空き家、使わなくなった土地について、「売る・貸す・残す」の前に、一度整理して考えたい方は、富士ヶ丘サービス株式会社までご相談ください。