失われる前に、磐田の記憶を記録し、次の世代へ手渡す
磐田物語 地区別入口ページ

豊田地区

よみがな:とよだ / 磐田物語 地区分類番号 01004

旧豊田町域を中心に、天竜川東岸の暮らし、農地と集落、東海道の渡し、古墳や寺社の記憶が重なる地区。銚子塚古墳、池田の渡し、行興寺の長藤、加茂・寺谷、東海道新田など、層の厚い歴史を伝えます。

豊田地区の天竜川・渡し・古墳・田園と集落の記憶を表した模式図
豊田地区の記憶をたどる入口図 ── 天竜川と渡し、古墳、田園と集落の重なりを表した模式図です(地理を正確に示す地図ではありません)。
この地区分類は、現在の行政区分をそのまま写したものではありません。旧町村の沿革、学校区、大字、生活圏、地域の記憶をもとにした、磐田物語独自の分類です。内容は今後の資料確認により随時更新します。

豊田は、天竜川左岸に広がる町です。江戸時代には池田の渡しで東海道と結ばれ、熊野御前ゆかりの行興寺には、国の天然記念物「熊野の長フジ」が今も花を咲かせます。富岡村・井通村という二つの旧村が水と台地に向き合いながら茶園や新田を開き、昭和30年に豊田村、昭和48年に豊田町となりました。加茂大念仏や賀茂神社の特殊神饌など、旧村ごとの祭礼も豊かに残ります。このページは、その豊田の記憶をたどるための入口です。まずは三つの扉から、どうぞ。

はじめて豊田を読む方へ ── 三つの入口

伝承
熊野御前ものがたり ── 池田に生きた伝説の女性

母への孝心から都を離れ、池田に帰ったと伝わる熊野御前の物語。

街道・交通
池田の渡し ── 天竜川をわたる東海道

天竜川を舟でわたった東海道の渡し場。川と街道の記憶をたどる。

町村沿革
豊田町への合併と近代行政のあゆみ

三村鼎立の明治から、昭和30年の大合併による「豊田村(のちの豊田町)」誕生までの歩み。

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豊田地区の記事一覧
No.タイトルテーマ概要公開日
1銚子塚古墳 ── 遠江を治めた王の墓沿革/記憶磐田原台地に築かれた前方後円墳・銚子塚古墳の規模・築造年代・副葬品を手がかりに、…
2一言坂の戦い ── 本多忠勝の殿軍をめぐって沿革/記憶元亀3年(1572年)、武田軍の遠江侵攻に際して戦われた一言坂の戦いと、本多忠勝…
3池田の渡し ── 天竜川をわたる東海道沿革/交通/記憶東海道が天竜川を渡る池田の渡しの成立(家康証文伝承)、渡船場の機能・運営組織・助…
4熊野御前ものがたり ── 池田に生きた伝説の女性と行興寺沿革/社寺池田荘に伝わる熊野(ゆや)御前の伝説を、『平家物語』の熊野・謡曲「熊野」・行興寺
5「新田」と名のつく土地 ── 江戸の開発が刻んだ地名沿革/記憶「新田」を含む豊田の地名を手がかりに、江戸期の新田開発の歴史と、地名が刻む開発の…
6行興寺と熊野の長藤 ── 池田に息づく熊野信仰沿革/社寺/祭り池田・行興寺の縁起と、熊野御前ゆかりと伝わる天然記念物「熊野の長藤」、池田荘の熊…
7池田荘と「葛巻」 ── 地名に残る中世の荘園沿革/記憶中世の荘園・池田荘と、地名「葛巻」に残る荘園の痕跡を、荘域・地名由来を諸説併記し…
8天竜川に架けられた船橋 ── 新田義貞から朝鮮通信使まで沿革/交通天竜川に臨時に架けられた船橋の歴史を、新田義貞の伝承(中世)から近世の大名通行・…
9加茂大念仏 ── 盆の念仏行事と供養の記憶社寺/祭り/暮らし加茂に伝わる大念仏(盆の念仏行事)の所作と供養の意味を、遠州大念仏の系譜と犀ヶ崖…
10旧東海道と国道1号 ── 磐田バイパスが変えた道の地図沿革/交通旧東海道から国道1号・磐田バイパスへの「道の主役交代」が地域をどう変えたかを、道…
11上万能「挑燈野」 ── 古戦場と伝わる野の名沿革/記憶上万能に伝わる「挑燈野」という地名と、そこが一言坂の戦いの古戦場だったとする伝承…
12大めし祭り ── 大飯を供える農村祭礼社寺/祭り/暮らし富里に伝わる「大めし祭り」の所作と意味を、公式確認事項を史実、豊穣祈願・通過儀礼…
13旧豊田町の地名 ── 土地の記憶を読む沿革/記憶旧豊田町(天竜川左岸)の地名を川・田・道・屋敷と祈り・台地の五類型に腑分けし、加…
14熊野絵巻 ── 池田の熊野信仰と中世交通沿革/社寺/交通池田・行興寺に伝わる熊野絵巻(県指定)を、絵巻という語りの形式・中世の熊野信仰・…
15富丘・東原 ── 台地に開けた「原」と「丘」のまち沿革/記憶富丘・東原という「原」「丘」の地名から、磐田原台地の水条件と近代の宅地化を、低地…
16渡船を支えた助郷 ── 定助郷・大助郷と池田の渡し沿革/交通池田の渡しの渡船を支えた助郷制度(定助郷・大助郷・五種の役)と、街道の負担が周辺…
17加茂・寺谷の歴史 ── 台地と谷が育てた村沿革/社寺/記憶加茂・寺谷(豊田北部)の歴史を、寺谷用水・寺社・地形の観点から、用水諸元を史実、…
18賀茂神社の特殊神饌 ── 神饌のかたちから読む加茂の食と信仰社寺/祭り/暮らし加茂・賀茂神社の特殊神饌(県指定)のかたち・調製・供献を、海・川・里の生産圏とし…
19弥藤太島・気子島 ──「島」のつく地名と低地の暮らし沿革/記憶弥藤太島・気子島という「島」のつく地名から、天竜川左岸の自然堤防(微高地)に生き…
20大名と渡船の特約 ── 紀州藩・尾張藩・仙台藩と池田村渡船方沿革/交通池田村渡船方と紀州・尾張・仙台・福井の各藩とのあいだに結ばれた渡船の特約(参勤交…
21森下・森本・立野 ──「森」と「立野」の地名を歩く沿革/記憶森下・森本・立野という「森」「立野」の地名から、台地と平地の境の地形・開発を、立…
22「町内史跡めぐり」60選を読む ── 昭和53年、豊田町を歩いた記憶沿革/社寺/記憶昭和53年に豊田町郷土を研究する会がえらんだ「町内史跡めぐり」60選を、史跡解説…
23東海道新田の歴史 ── 街道沿いに拓かれた土地沿革/交通/記憶東海道沿いに拓かれた「東海道新田」の開発史と、宿場と新田がむすんだ近世の景観を、…
24「堤外」と「内郷堤」 ── 天竜川の堤が分けた土地沿革/記憶「堤外」「内郷堤」という天竜川の堤にまつわる地名から、堤防が分けた土地と暮らしを…
25上新屋「半場名」を読む ── 人名・屋号が地名に残るしくみ沿革/記憶上新屋に残る「半場名」という小字を入口に、天竜川左岸の新田開発と、人名・屋号が地…
26池田やかた祭りを読む ── 無形民俗文化財としての祭りと記憶祭り/暮らし/記憶豊田・池田の池田やかた祭りを、市指定無形民俗文化財という制度的枠組みと地域の記憶…
27熊野絵巻を読む ── 熊野・千手・朝顔、三人の女性の物語社寺/暮らし行興寺に伝わる熊野絵巻の詞書を、熊野だけでなく千手・朝顔という二人の女性も描く物…
28行興寺の近世史 ── 家康朱印地の伝承と江戸期古文書を読む沿革/社寺/記憶行興寺に残る江戸期の嘆願書・減免願などの古文書から、慶長8年(1603年)に徳川…
29豊田の成り立ち ── 富岡村・井通村から磐田市合併まで沿革/記憶豊田地区の成り立ちを、富岡村・井通村から豊田村・豊田町、平成の磐田市合併まで、沿…
30天竜川池田の渡船 ── 家康の証文から始まった渡し場300年沿革/交通/記憶天竜川池田の渡船を、徳川家康の証文に始まると伝わる渡し場300年の記憶として、証…
31外国船の来日と池田の渡船 ── ラクスマンから幕末の動揺まで沿革/交通/記憶ラクスマン来航から幕末に至る対外的動揺が、天竜川池田の渡船にどう波及したかを、大…
32こひめっこの墓 ── 赤池に400年伝わる真田の姫の伝承を読む沿革/記憶赤池に伝わる「こひめっこの墓」を、真田幸村が幼い姫を赤池の藤原氏に託したという4…
33帯金家長屋門を読む ── 家康の恩義に由来する姓の伝承社寺/記憶上本郷の帯金家長屋門と、元亀年間の徳川家康逃避行に際し帯の間から金を与え「帯金」…
34熊野伝統芸能館を読む ── 芸能を保存する場と信仰の記憶社寺/暮らし/記憶豊田・池田の熊野伝統芸能館を、熊野(ゆや)ゆかりの芸能を保存・継承する場として、…
35天竜川の氾濫と仮渡船 ── 文化13年・文政11年の大洪水を読む沿革/交通/記憶文化13年(1816年)・文政11年(1828年)の天竜川大洪水と、渡船が流され…
36渡船を支えた助郷 ── 定助郷・大助郷と助船・助人足の制度沿革/交通/記憶天竜川池田の渡船を支えた助郷制度を、定助郷・大助郷・助船・助人足という近世の賦役…
37渡船経済のしくみ ── 船賃の分配・船勧進・堤防修理の経済史交通/暮らし/記憶天竜川池田の渡船を、船賃の分配・船勧進物・堤防修理という経済のしくみから、収支の…
38大通行と池田の渡船場 ── 琉球使節から見付宿の歎願まで沿革/交通/記憶参勤交代・将軍上洛・琉球使節参府などの「大通行」が池田の渡船場と助郷の村々にもた…
39天竜川を渡る ── 渡船・助郷・橋の三百年を総合する交通/記憶天竜川池田の渡船から橋への三百年を、渡船・助郷・仮渡船・大通行・渡船経済・架橋の…
40磐田の新田開発を総合する ── 天竜川と遠州灘が生んだ村々沿革/記憶東海道新田・合代島・太郎馬新田・清庵新田・半場名など磐田の新田開発を扱った各論を…
41磐田の女性たちを読む ── 熊野・千手・朝顔・善苗尼をめぐって暮らし熊野絵巻の熊野・千手・朝顔、国分寺復興の森本善苗尼など、記録に残る磐田の女性たち…
42磐田の芸能と文化を総合する ── 絵巻・芸能館・文人画・音の記憶祭り/暮らし熊野絵巻・熊野伝統芸能館・遠州文人画・福田の音楽活動を扱った各論を横断し、地方に…
43伝承と史実のあいだを総合する ── 家康・真田姫・幻の城をめぐって記憶徳川家康の築城伝説(城之崎城)・帯金家の賜姓譚・真田の姫の伝承(こひめっこの墓)…
44広重「見附 天竜川図」を読む ── 霧の川に描かれた磐田広重の東海道五十三次「見附 天竜川図」は宿場の賑わいではなく川霧に沈む天竜川の渡…
45豊田東小学校と広野北遺跡 ── 台地の上の学び舎学校/記憶磐田市高見丘の豊田東小学校を、磐田原台地、広野北遺跡、豊田北部小からの分離新設、…
46豊田中学校の戦後史 ── 組合立からながふじ学府へ学校/記憶1948年の組合立豊田中学校から、岩田中学校との統合、青春の塔、豊田南中学校の分…
47一言坂の撤退戦を土地から読む - 坂・沼・提灯野が家康を救った日交通/記憶一言坂の戦いを、武将の武勇伝だけでなく、坂、沼、道、提灯野、一言観音という土地の…
48磐田で生まれたプチヴェールから産業の記憶を読む暮らし/記憶豊田地区の磐田で生まれたプチヴェールを、産業・なりわいの記憶として読み直す。場所…
49熊野伝統芸能館に残る信仰と文化の記憶祭り/暮らし/記憶豊田地区の熊野伝統芸能館を、文化・信仰の記憶として読み直す。場所、資料から確認で…
50平氏と遠江国司 ── 平重盛の一族と磐田社寺平重盛の遠江国司就任を軸に、蓮光寺・連城寺・熊野御前へ残る平氏の記憶を、政治史と…

どこから読むか迷ったら ── 時間の道しるべ

時代の流れに沿って読みたい方は、この順でどうぞ。

歩いて出会える記憶 ── 豊田の主な文化財・史跡

読み物でたどった記憶の多くは、いまも町のあちこちに形として残っています。『ふるさと散歩』(磐田市教育委員会文化財課)ほかをもとに整理しました。指定内容は変更されることがあります。

豊田を代表する文化財・史跡(5件)
名称指定区分ひとこと磐田物語の記事
行興寺の長フジ国・県指定天然記念物熊野御前ゆかりと伝わる、花房の長い藤棚。記事を読む
熊野絵巻県指定熊野御前の物語を描いた絵巻物。記事を読む
行興寺の宝篋印塔(熊野御前の墓と伝)市指定熊野御前の墓と伝わる石塔。調査予定
池田の渡し・一里塚跡(宮之一色)街道遺構天竜川を渡った東海道の渡し場と一里塚の跡。記事を読む
寺谷用水(平野重定)世界かんがい施設遺産(関連)江戸期に拓かれ、今も台地の農地を潤す用水。調査予定
残り10件の文化財・史跡を見る
名称指定区分ひとこと磐田物語の記事
諏訪神社のヤマモモ市指定諏訪神社の境内に育つ市指定天然記念物の巨木。調査予定
池田やかた祭り市指定麦わらの屋形を天竜川へ流す、無形民俗文化財の厄流し。記事を読む
大めし祭り市指定豊作を願い大量の飯を供える、市指定の伝統行事。記事を読む
長森かうやく関係資料市指定長森に伝わる膏薬づくりにまつわる市指定資料。調査予定
絹本着色西之島学校図市指定明治期の西之島学校の姿を描いた市指定の絵画。調査予定
東原報徳井戸市指定報徳の教えにもとづき掘られたと伝わる市指定の井戸。調査予定
加茂東十王堂十王像群市指定加茂東の十王堂に伝わる市指定の十王像群。調査予定
加茂大念仏市指定加茂の地に伝わる市指定の念仏踊り。記事を読む
賀茂神社本殿と特殊神饌市指定賀茂神社の本殿と、祭礼に供える特殊な神饌。記事を読む
一言坂の戦跡古戦場徳川方が武田勢を相手に殿をつとめたと伝わる古戦場。記事を読む

「調査予定」の項目は、資料確認・現地確認ののち、順次読み物として公開します。この一覧は地区の記憶の目次を兼ねており、記事が増えるたびにリンクへ置き換わります。

豊田の成り立ち ── 富岡村・井通村から豊田町へ

こうした記憶を生んだ豊田という町が、行政のうえでどう歩んできたか。おおまかな流れは次のとおりです。

富岡村・井通村 明治22年(1889年) → 豊田村 昭和30年(1955年) → 豊田町 昭和48年(1973年) → 新・磐田市 平成17年(2005年)

町村制で発足した富岡村と井通村が合併して豊田村となり、町制施行で豊田町へ。平成の大合併で現在の磐田市の一部となりました。沿革の年表、旧町村・大字の対応、現在の学校区と大字は、別ページで詳しく整理しています。

豊田の成り立ちを詳しく ── 沿革年表・学校区・大字

豊田の記憶を、次の世代へ

この地区に関する古写真、古い地図、昔の屋号、商店、学校、祭り、建物、地名、言い伝えなどの情報を募集しています。確実な史料だけでなく、「昔こう聞いた」という記憶も、地域を記録する大切な手がかりです。確実な史料と地域の記憶は分けて整理し、次の世代へ手渡していきます。

この土地・家の記憶を残したい方へ

豊田をはじめ磐田市・袋井市で、相続した実家・空き家・土地建物のご相談を、地域で暮らし不動産に関わる立場から承っています。

作成方針・参考資料

作成方針

旧町村の沿革、現在の学校区、大字、生活圏を総合して分類する。断定できない情報は「要確認」「調査中」と明記する。地域の記憶は史実と分け、集合知として集めて随時更新する。

参考資料・出典

磐田市公式資料(地区別人口・通学区域ほか)/『豊田町』『磐田市』ほか沿革に関する公開資料/磐田市教育委員会文化財課『ふるさと散歩 豊田編』/磐田市史・旧町村史・地域資料/佐口行正氏所蔵史料

古い地名や集落の成り立ちを調べていると、家や土地には、登記簿だけでは分からない地域の記憶が残っていることがあります。相続した家、空き家、使わなくなった土地について、「売る・貸す・残す」の前に、一度整理して考えたい方は、富士ヶ丘サービス株式会社までご相談ください。