失われる前に、磐田の記憶を記録し、次の世代へ手渡す

ENSHU BEN | 磐田・中遠のことば

遠州弁辞典
ことばに残る、まちの記憶

「だら」「だに」「やぶせったい」── 磐田を中心とする中遠地域で受け継がれてきた方言、遠州弁。何気なく使っている言葉も、外の人には通じない、このまちならではのことばかもしれない。語彙と、その使い方、そして文法の特徴を集めた覚え書きである。

遠州弁の一覧・意味・使い方を調べる

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用例は、掲載した意味・用法をもとに編集部が作成した作例です。実際の話者の発話を引用したものではなく、地域や世代によって使い方が異なる場合があります。

資料の印語の横の印は、公開資料で語形や意味の記録を確かめられることを示します(現在30語)。1921は『静岡県磐田郡誌』(1921年)の方言の記録、国研は国立国語研究所「全国方言分布調査」(2010〜2015年)の磐田市地点の回答です。郡誌の旧町村名は現在の市域と一致しません。印のない語には、現時点で個別の一次資料との対応を示していません。原表記・回答の注記は磐田ことば資料室で確認できます。

遠州弁かるた122語すべてに引札風の絵札を添えました。「絵札で並べる」では、小さな絵札と意味・使用例・標準語訳を一緒に読めます。絵札を押すと解説と資料も開きます。絵は生成AIを用い、作例の場面から新規制作したものです。絵札・読み札を印刷する(PDF)/制作と遊び方。学校などでの非営利の利用は、出典を明記すれば自由です(利用について)。

磐田ことば調査各語の「使う/聞いたことがある/知らない」に答えると、語ごとの集計に加わります。氏名や連絡先は聞きません。割合は回答が30件に達した語から表示します。読者の自己申告による参考値で、学術調査の結果ではありません。辞典にないことばや家での言い方は、掲示板で教えてください。

遠州弁122語を五十音順で掲載しています。JavaScriptが使えない場合も、このまま意味・作例・標準語訳を読めます。ページ内検索も利用できます。

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122 語

遠州弁かるた「あいさ」の絵札:たんすと壁のすきまをのぞき込み、落ちた物を探す子ども
絵札:磐田物語
あいさ あいさ 1921 名詞・もの

間、すきま。

使用例たんすと壁のあいさに落ちた。 = たんすと壁のあいだに落ちた。

資料『静岡県磐田郡誌』1921年、1243頁・旧袋井町に「あいさ」の記録。原資料の意味「あひだ」。原注「間」。

遠州弁かるた「あおたえる」の絵札:急に名前を呼ばれて、うろたえる人
絵札:磐田物語
あおたえる あおたえる 動作・行い

うろたえる、慌てる。

使用例急に呼ばれて、あおたえちゃった。 = 急に呼ばれて、うろたえてしまった。
遠州弁かるた「頭を切る」の絵札:床屋の椅子で髪を切ってもらう人(頭そのものを切る絵にはしない)
絵札:磐田物語
頭を切る あたまをきる 動作・行い

髪を切る、散髪する。頭そのものではなく、髪の意。

使用例そろそろ頭切ってこんと。 = そろそろ髪を切ってこないと。
遠州弁かるた「あっこ」の絵札:道の先の角を指さして道案内をする人
絵札:磐田物語
あっこ あっこ/あっこら 名詞・もの

あそこ。「あっこら」「あっこいら」で、あそこらへん。

使用例あっこの角を曲がったとこだに。 = あそこの角を曲がったところだよ。
遠州弁かるた「あわくい」の絵札:玄関で鍵を忘れたことに気づいて慌てる人
絵札:磐田物語
あわくい あわくい/あわっくい 名詞・もの

慌て者、そそっかしい人。

使用例あわくいだもんで、また鍵忘れた。 = 慌て者だから、また鍵を忘れた。
遠州弁かるた「あんき」の絵札:仕事を片付けて、縁側でくつろぐ人
絵札:磐田物語
あんき あんき 気持ち

安心、気楽。「あんきだ」で、のんびりしている、気が楽だ。

使用例仕事が片付いて、あんきになった。 = 仕事が片付いて、気が楽になった。

解説漢字では「安気」と書く。遠州に限らず各地の方言に見られる語である。

遠州弁かるた「あんも」の絵札:網の上でふくらんで焼けた餅
絵札:磐田物語
あんも あんも/あんもう 1921 名詞・もの

餅。

使用例あんも焼けたに。 = お餅が焼けたよ。

解説静岡県磐田郡教育会編『静岡県磐田郡誌』(1921年)1242頁には、「あんもう」の語形で餅を指す記録がある。ここに掲げた「あんも」とは表記が異なる。

資料『静岡県磐田郡誌』1921年、1242頁・旧福島村に「あんもう」の記録。原資料の意味「餅。又は萩の餅」。原注「餡餅」。辞典の「あんも」と語形が異なる。

遠州弁かるた「いいにする」の絵札:雨の窓辺で、ジョギング靴を見ながら今日はやめておこうと考える人
絵札:磐田物語
いいにする いいにする 気持ち

〜にしておく、やめておく、これで良しとする。対立を避け、穏やかに物事を収めるときの言葉。中止・妥協・許容・中断と幅広く使う。

使用例雨だで、今日のジョギングはいいにするか。 = 雨だから、今日のジョギングはやめておくか。

解説静岡新聞の報道によれば、静岡県立大学の谷口ジョイ教授の研究室による2024年の県内調査(1,770人)で、中止・妥協・許容・中断の4つの意味のすべてについて9割以上が「使う」または「わかる」と答えた。県外ではほとんど知られていない語とされる。

遠州弁かるた「いがむ」の絵札:ゆがんだ棚を見上げる人
絵札:磐田物語
いがむ いがむ/えがむ 1921 動作・行い

曲がる、ゆがむ。

使用例棚がいがんどる。 = 棚がゆがんでいる。

資料『静岡県磐田郡誌』1921年、1243頁・旧福島村に「いがむ」の記録。原資料の意味「ゆがむ(歪む)」。

遠州弁かるた「いきれる」の絵札:閉め切った蒸し暑い部屋で、汗だくでうちわをあおぐ人
絵札:磐田物語
いきれる いきれる 動作・行い

蒸し暑さにまいる、むっとする。

使用例締め切った部屋でいきれちゃった。 = 閉め切った部屋で蒸し暑さにまいってしまった。

解説標準語の「草いきれ」「人いきれ」の「いきれ」と同じ語根をもつ動詞である。

遠州弁かるた「いずようない」の絵札:寄り合いの席の端で、居心地悪そうに座る人
絵札:磐田物語
いずようない いずようない 形容・ようす

居づらい、居心地が悪い、居場所がない。

使用例あの場はいずようなかったわ。 = あの場は居づらかったよ。
遠州弁かるた「いぜる」の絵札:機械のつまみを勝手にいじろうとする子どもと、止める大人
絵札:磐田物語
いぜる いぜる/えぜる 1921 動作・行い

いじる、触る。

使用例機械、勝手にいぜっちゃいかんに。 = 機械を勝手にいじってはだめだよ。

資料『静岡県磐田郡誌』1921年、1243頁・旧福島村に「いぜる」の記録。原資料の意味「いぢる」。

遠州弁かるた「いっちょ」の絵札:一日よく働き、汗をぬぐってひと息つく人
絵札:磐田物語
いっちょ いっちょ 程度・量

とても、たくさん、いっぱい。

使用例今日はいっちょ働いたわ。 = 今日はたくさん働いたよ。
遠州弁かるた「いのく」の絵札:写真を撮るカメラの前で、じっとするよう言われる家族
絵札:磐田物語
いのく いのく/いぬく 1921 動作・行い

動く。

使用例写真撮るで、いのかんで。 = 写真を撮るから、動かないで。

資料『静岡県磐田郡誌』1921年、1243頁・旧袋井町に「いのく」の記録。原資料の意味「動く」。

遠州弁かるた「いぼる」の絵札:田んぼのぬかるみに足をとられた人
絵札:磐田物語
いぼる いぼる 動作・行い

ぬかるみなどに足を取られてはまる、めり込む。

使用例田んぼでいぼっちゃった。 = 田んぼでぬかるみにはまってしまった。
遠州弁かるた「いみ」の絵札:ひびの入った茶碗を手に取って見る人
絵札:磐田物語
いみ いみ/えみ/いみり 名詞・もの

陶磁器などのひび、ひび割れ。

使用例この茶碗、いみが入っとる。 = この茶碗、ひびが入っている。
遠州弁かるた「いやったい」の絵札:雨の窓の外を見て、出かけるのをためらう人
絵札:磐田物語
いやったい いやったい 気持ち

いやだ、気が進まない、不愉快だ。

使用例雨ん中出かけるのはいやったいなあ。 = 雨の中出かけるのは気が進まないなあ。
遠州弁かるた「いらんこん」の絵札:口をはさもうとする人を、手で制する人
絵札:磐田物語
いらんこん いらんこん 名詞・もの

余計なこと、おせっかい。「こん」は「こと」の意。

使用例いらんこん言わんどいて。 = 余計なことを言わないでおいて。
遠州弁かるた「うっちゃる」の絵札:いらない物をごみ袋に入れる手
絵札:磐田物語
うっちゃる うっちゃる 動作・行い

捨てる、放っておく。「うっちゃっとく」で放置する。

使用例いらんもんは、うっちゃっといて。 = いらない物は、捨てておいて。
遠州弁かるた「えいかん」の絵札:両手いっぱいにみかんをもらった人
絵札:磐田物語
えいかん えいかん 程度・量

たくさん、いっぱい。

使用例みかん、えいかんもらった。 = みかんをたくさんもらった。
遠州弁かるた「えらい」の絵札:長く歩いたあと、汗をふいて腰を下ろす人
絵札:磐田物語
えらい えらい 形容・ようす

疲れた、しんどい。立派の意ではなく、体がきつい意で使う。

使用例今日は歩きすぎてえらいわ。 = 今日は歩きすぎて疲れたよ。

解説「疲れた・つらい」の意の「えらい」は、東海地方から近畿にかけて広く使われる。遠州のことばが西日本と連続している例の一つである。

遠州弁かるた「おえん」の絵札:壊れた道具を前に、お手上げの身ぶりをする人
絵札:磐田物語
おえん おえん 1921 気持ち

だめだ、いけない、手に負えない。「いかん」と近い。

使用例こりゃもう、おえんわ。 = これはもう、だめだよ。

資料『静岡県磐田郡誌』1921年、1244頁・旧袋井町に「おえん」の記録。原資料の意味「いかん」。原注は原画像を参照。

遠州弁かるた「おおぼったい」の絵札:寝不足で、まぶたが腫れぼったい人
絵札:磐田物語
おおぼったい おおぼったい 形容・ようす

(まぶたなどが)重い、腫れぼったい。

使用例寝不足で目がおおぼったい。 = 寝不足で目が腫れぼったい。

解説「〜ったい」で終わる形容詞は静岡方言に多く、「やぶせったい」「ぶしょったい」と同じ型である。

遠州弁かるた「おぞい」の絵札:買ってきた品物の粗末さにがっかりする人
絵札:磐田物語
おぞい おぞい 1921 形容・ようす

粗悪な、品質が悪い、みすぼらしい。

使用例おぞい品物つかまされた。 = 粗悪な品物を買わされた。

解説古語の「おぞし」に連なる語とみられる。静岡県内で広く使われ、「おぞい家」「おぞい服」のように物の粗末さを言うことが多い。

資料『静岡県磐田郡誌』1921年、1244頁・旧浦川村に「おぞい」の記録。原資料の意味「わるい」。現在の磐田市域の記録として扱わない。

遠州弁かるた「おだっくい」の絵札:おだてられてすぐその気になる人と、それを見て笑う仲間
絵札:磐田物語
おだっくい おだっくい 気持ち

お調子者、すぐ調子に乗る人。

使用例あいつはおだっくいだもんで、すぐ乗せられる。 = あいつはお調子者だから、すぐ乗せられる。

解説静岡県内で広く聞かれる語。近年の調査報道では、若い世代では使われにくくなっている語の一つとして挙げられている。

遠州弁かるた「おちゃっぴい」の絵札:よくしゃべり、元気に駆け回る女の子
絵札:磐田物語
おちゃっぴい おちゃっぴい 形容・ようす

おしゃべりで活発な(女の子)。お転婆。

使用例あの子はおちゃっぴいだなあ。 = あの子はお転婆だなあ。
遠州弁かるた「おっさま」の絵札:お盆に家を訪れ、仏壇の前でお経をあげるお坊さん
絵札:磐田物語
おっさま おっさま/おっさん 名詞・もの

お坊さん、僧侶。寺の住職を親しみをこめて呼ぶ。

使用例盆にはおっさまがお経あげに来るに。 = お盆にはお坊さんがお経をあげに来るよ。
遠州弁かるた「おっしー」の絵札:湯気の立つ味噌汁のおかわりを頼む人
絵札:磐田物語
おっしー おっしー 名詞・もの

味噌汁。やや古い言い方。

使用例おっしー、もう一杯。 = 味噌汁、もう一杯。
遠州弁かるた「おとび」の絵札:草むらを歩いて、服にひっつき虫がたくさん付いた子ども
絵札:磐田物語
おとび おとび 名詞・もの

ひっつき虫。服に付くセンダングサ類などの種。「とびつか」とも。

使用例草むら歩いたら、おとびがいっぱい付いた。 = 草むらを歩いたら、ひっつき虫がたくさん付いた。
遠州弁かるた「かえち」の絵札:泊まりがけのかばんに着替えを詰める人
絵札:磐田物語
かえち かえち 名詞・もの

着替え用の衣類。

使用例泊まりだで、かえち持ってきな。 = 泊まりだから、着替えを持ってきなさい。
遠州弁かるた「かじくる」の絵札:蚊に刺された腕をかこうとする子どもと、止める大人
絵札:磐田物語
かじくる かじくる 1921 動作・行い

引っかく、かきむしる。「かじる」を強めた形。

使用例蚊に刺されたとこ、かじくっちゃいかん。 = 蚊に刺されたところを、かきむしってはいけない。

資料『静岡県磐田郡誌』1921年、1245頁・旧袋井町に「かじくる」の記録。原資料の意味「かく」。原注「引掻く」。

遠州弁かるた「かじる」の絵札:かさぶたを爪でかこうとする子どもと、止める大人
絵札:磐田物語
かじる かじる 動作・行い

引っ掻く。歯で噛むだけでなく、爪で皮膚を掻くことも指す。

使用例かさぶたかじっちゃいかんに。 = かさぶたを掻いちゃだめだよ。
遠州弁かるた「がんこ」の絵札:人でごった返す店の中
絵札:磐田物語
がんこ がんこ 程度・量

とても、すごく。頑固の意ではなく、程度を強める。

使用例がんこ混んどったわ。 = すごく混んでいたよ。
遠州弁かるた「くっちゃべる」の絵札:縁側でおしゃべりが止まらない人たち
絵札:磐田物語
くっちゃべる くっちゃべる 動作・行い

しゃべる、おしゃべりをする。

使用例いつまでくっちゃべっとるだ。 = いつまでおしゃべりしているの。
遠州弁かるた「くろ」の絵札:車が近づく道で、子どもを道の端へ寄らせる大人
絵札:磐田物語
くろ くろ 名詞・もの

端、隅、へり。色の黒ではなく、空間的な境界を指す。

使用例車来るで、道のくろに寄んな。 = 車が来るから、道の端に寄りなさい。
遠州弁かるた「け」の絵札:店先で品物を指さしてたずねる人
絵札:磐田物語
け け 語尾・あいさつ

〜か。「〜か?」の角を取って、やわらかく問う。体言にも用言にも付く。

使用例これけ? = これなの?
遠州弁かるた「けっからかす」の絵札:足に当たって転がるバケツ
絵札:磐田物語
けっからかす けっからかす 動作・行い

蹴飛ばす。

使用例バケツけっからかしちゃった。 = バケツを蹴飛ばしてしまった。
遠州弁かるた「けっこい」の絵札:庭に咲いたきれいな花
絵札:磐田物語
けっこい けっこい 1921国研 形容・ようす

きれいな、美しい。

使用例けっこい花が咲いとる。 = きれいな花が咲いている。

資料『静岡県磐田郡誌』1921年、1246頁・旧於保村に「けつこい」の記録。原資料の意味「けつかうな」。小さい「っ」に統一せず原表記を残す。/国立国語研究所 全国方言分布調査(2010〜2015年)磐田市地点:質問「うつくしい(美しい)」の注記にケッコイの記録(data-ID 51041)。原注:〈晴着はケッコイと言う。年寄りなら虹でもケッコイと言うかもしれない〉

遠州弁かるた「けった」の絵札:自転車で駅へ向かう人
絵札:磐田物語
けった けった/けったあ 名詞・もの

自転車。浜松など天竜川以西で多く聞かれ、川の東では少ないとされる。磐田から見ると「川向こう」のことばでもある。

使用例けったで駅まで行ってくる。 = 自転車で駅まで行ってくる。

解説名古屋方言から広がった比較的新しい語(新方言)とする説明が多い。天竜川の西で多く東で少ないとされるのは、名古屋・三河からの伝わり方を反映している可能性がある。

遠州弁かるた「けんが」の絵札:カレンダーを前に、行きたいけれど時間がないと悩む人
絵札:磐田物語
けんが けんが/けえが/けん 語尾・あいさつ

〜けれど、〜けど。逆接。中遠・東遠で使われるとされる。

使用例行きたいけんが、暇がないだよ。 = 行きたいけれど、時間がないんだよ。
遠州弁かるた「ごう」の絵札:料理を差し出して、食べてみるよう勧める人
絵札:磐田物語
ごう 〜ごう 語尾・あいさつ

〜してごらん。「〜てごう」の形で、軽くうながす。

使用例これ、食べてごう。 = これ、食べてごらん。
遠州弁かるた「こく」の絵札:うそを言わないで、と人差し指を立てる人
絵札:磐田物語
こく こく 1921 動作・行い

言う。やや乱暴な言い方。「やっきりこく」「うそこく」のように他の語とも結びつく。

使用例うそこかんで。 = うそを言わないで。

資料『静岡県磐田郡誌』1921年、1246頁・旧袋井町に「こく」の記録。原資料の意味「いふ」。原注は「言ふ」の意味と、罵言的な用い方を説明する。

遠州弁かるた「こさえる」の絵札:弁当箱におかずを詰める手
絵札:磐田物語
こさえる こさえる 動作・行い

作る、こしらえる。全国の話しことばにも見られるが、遠州の暮らしのなかで今もよく耳にする。

使用例弁当こさえといたでね。 = 弁当を作っておいたからね。
遠州弁かるた「こすい」の絵札:先回りして得をしようとする子どもを、ほかの子があきれて見る
絵札:磐田物語
こすい こすい 形容・ようす

ずるい、せこい。

使用例あいつ、こすいことするなあ。 = あいつ、ずるいことをするなあ。
遠州弁かるた「こずむ」の絵札:器の底に片栗粉が沈んでいる台所
絵札:磐田物語
こずむ こずむ 1921 動作・行い

(粉や沈殿物が)底にたまる、沈む。

使用例片栗粉がこずんどる。 = 片栗粉が底に沈んでいる。

資料『静岡県磐田郡誌』1921年、1246頁・旧於保村に「こぞむ」の記録。原資料の意味「しづむ」。辞典の「こずむ」と語形が異なる。原表記の濁点を確認。

遠州弁かるた「ごせっぽい」の絵札:片付いた部屋で背伸びをして、すっきりした顔の人
絵札:磐田物語
ごせっぽい ごせっぽい 1921 気持ち

せいせいする、気分がすっきりする。

使用例部屋片付けたら、ごせっぽいわ。 = 部屋を片付けたら、せいせいしたよ。

解説『えーらしぞーか』(2007年)は「〜ぽい」で終わる静岡の方言を一群として取り上げている。

資料『静岡県磐田郡誌』1921年、1246頁・旧於保村に「ごせつぽい」の記録。原資料の意味「すが/\し」。原文の繰返し記号を「/\」で表した。原注は安心したさまを表す説明。

遠州弁かるた「ころ」の絵札:キャスター付きの椅子を軽々と動かす人
絵札:磐田物語
ころ ころ 名詞・もの

小さな車輪。キャスターや自転車の補助輪を指す。

使用例このいすは、ころが付いとるで動かしやすい。 = この椅子はキャスターが付いているから動かしやすい。
遠州弁かるた「こわい」の絵札:硬くなった餅を割ろうと苦戦する手
絵札:磐田物語
こわい こわい 形容・ようす

(食べ物などが)硬い。恐怖の意ではなく、餅などの物理的な硬さを指す。

使用例このお餅、まだこわいわ。 = このお餅、まだ硬いよ。

解説古語の「こはし(強し)」に連なる語で、「こわめし(強飯)」の「こわ」と同じである。古い意味が方言に残った例とされる。

遠州弁かるた「こん」の絵札:話を聞いて、知らなかったと驚く人
絵札:磐田物語
こん こん 名詞・もの

こと(事)。「そんなこん」「いらんこん」のように、ほかの語のあとに付く。

使用例そんなこん、知らんかった。 = そんなこと、知らなかった。
遠州弁かるた「ごんど」の絵札:ごみの日の朝、ごみ袋を集積所へ出す人
絵札:磐田物語
ごんど ごんど 名詞・もの

ごみ、くず。

使用例ごんどは火曜に出すだよ。 = ごみは火曜日に出すんだよ。
遠州弁かるた「在所」の絵札:お盆に荷物を持って実家の玄関へ帰る家族
絵札:磐田物語
在所 ざいしょ 1921 名詞・もの

実家、生まれ育った家やその土地。「お在所」とも。

使用例盆は在所へ帰るでね。 = お盆は実家へ帰るからね。

解説本来は「住んでいる所・故郷」を意味する語で、古くから文献に見える。遠州では、実家やふるさとの意で日常的に使う。

資料『静岡県磐田郡誌』1921年、1246頁・旧袋井町に「ざいしよ」の記録。原資料の意味「さと」。原注「實家」。

遠州弁かるた「さら」の絵札:りんごを皮ごとかじる子ども
絵札:磐田物語
さら 〜さら 国研 程度・量

〜ごと、〜全部。残さず全体を、の意。「まるさら」で丸ごと。

使用例りんご、皮さら食べる。 = りんご、皮ごと食べる。

資料国立国語研究所 全国方言分布調査(2010〜2015年)磐田市地点:質問「ごと:皮ごと〈食べた〉(対象の包括化)」にカワサラの回答(data-ID 89328)。原注:(ゆ)

遠州弁かるた「舌べろ」の絵札:熱いお茶で舌をやけどし、顔をしかめる人
絵札:磐田物語
舌べろ したべろ 名詞・もの

舌。

使用例熱いお茶で舌べろやけどした。 = 熱いお茶で舌をやけどした。
遠州弁かるた「じゃんね」の絵札:雨上がりの道で、昨日の雨の話をする友だち二人
絵札:磐田物語
じゃんね じゃんね 語尾・あいさつ

〜じゃない、〜だよね。同意を求めたり、話を次へ繋いだりする。「じゃんか」は念押し・詰問。

使用例昨日さ、雨だったじゃんね。 = 昨日、雨だったよね。
遠州弁かるた「衆ら」の絵札:近所の仲間たちが手で草を取り、袋に集めながら声を掛け合う
絵札:磐田物語
衆ら しゅうら 名詞・もの

〜の人たち、〜の連中。「若い衆ら」「町内の衆ら」のように、集団をまとめて呼ぶ。

使用例町内の衆らで草刈りやるに。 = 町内の人たちで草刈りをするよ。
遠州弁かるた「じゅるい」の絵札:汁気たっぷりのみかんをほおばる人
絵札:磐田物語
じゅるい じゅるい 1921 形容・ようす

水気が多い、汁気が多い。

使用例このみかん、じゅるくてうまいなあ。 = このみかん、果汁が多くておいしいなあ。

資料『静岡県磐田郡誌』1921年、1246頁・旧袋井町に「じるい」の記録。原資料の意味「やはらかい」。道の泥濘にも使う旨の原注。辞典の「じゅるい」と語形が異なる。

遠州弁かるた「しょろしょろする」の絵札:のろのろ支度する子どもを、急かす大人
絵札:磐田物語
しょろしょろする しょろしょろする 動作・行い

ぐずぐずする、のろのろ動く。

使用例しょろしょろしとらんで、ちゃっとしない。 = ぐずぐずしていないで、早くしなさい。
遠州弁かるた「しょんない」の絵札:探し物が見つからず、肩をすくめてあきらめる二人
絵札:磐田物語
しょんない しょんない 形容・ようす

しょうがない、仕方がない。諦めの気持ちから、軽い非難まで幅広く使う。

使用例見つからんもんはしょんないら。 = 見つからない物は仕方ないよ。

解説「しょうがない」がつづまった形。静岡県全体で使われ、県民がよく自覚している方言の一つである。

遠州弁かるた「新家」の絵札:通りをはさんで向かい合う本家と分家の家
絵札:磐田物語
新家 しんや 国研 名詞・もの

分家。本家(ほんや)から分かれて建てた家。家の呼び名として集落の会話に残る。

使用例うちは新家で、本家は通りの向こうだに。 = うちは分家で、本家は通りの向こうだよ。

解説対になる語は「本家(ほんや)」。家の続柄が日常の呼び名になっていたことを示す語である。

資料国立国語研究所 全国方言分布調査(2010〜2015年)磐田市地点:質問「ぶんけ(分家)」にシンヤの回答(data-ID 36223)

遠州弁かるた「ずっこい」の絵札:先におやつを食べてしまった子どもを指さすきょうだい
絵札:磐田物語
ずっこい ずっこい 形容・ようす

ずるい。「こすい」と近い意味で使う。

使用例先に食べるなんてずっこいら。 = 先に食べるなんてずるいでしょ。
遠州弁かるた「ずら」の絵札:縁側で年配の二人が空を見上げ、うなずき合う
絵札:磐田物語
ずら ずら 1921国研国研 語尾・あいさつ

〜だろう。古くから記録のある推量表現。「だら」「ら」と並ぶ言い方。

使用例そうずらなあ。 = そうだろうなあ。

解説郡誌では1921年の袋井町に「ずら」の記録がある。国研の磐田市地点の「センセーズラ」には、調査者が語形を示した回答で、話者が使うことは少ないという注記が付く。市全域の世代別使用率を示すものではない。

資料『静岡県磐田郡誌』1921年、1247頁・旧袋井町に「ずら」の記録。原資料の意味「だらう」。原注には「さうだらう」を「さうずら」とする用例。/国立国語研究所 全国方言分布調査(2010〜2015年)磐田市地点:質問「先生だろう」にセンセーズラの回答(data-ID 119897)。原注:(ゆ)〈少〉/国立国語研究所 全国方言分布調査(2010〜2015年)磐田市地点:質問「行くのだろう」にイクズラの回答(data-ID 121427)

遠州弁かるた「せせる」の絵札:かさぶたを指先でつつこうとする子どもと、止める大人
絵札:磐田物語
せせる せせる/せせくる 動作・行い

つつく、いじる、触る。

使用例かさぶた、せせらんどきな。 = かさぶたは、いじらないでおきなさい。

解説古語の「せせる(つつく・ほじる)」に連なる語で、全国の方言に広く残る。

遠州弁かるた「せんしょったい」の絵札:あれこれ聞いてくる人に、困り顔の人
絵札:磐田物語
せんしょったい せんしょったい 形容・ようす

詮索好きだ、人のことに首を突っこみたがる。

使用例せんしょったいこと聞かんどいて。 = 詮索するようなことは聞かないでおいて。
遠州弁かるた「せんひき」の絵札:机の上の定規を手渡す子ども
絵札:磐田物語
せんひき せんひき 国研 名詞・もの

定規、物差し。「線引き」から。静岡で広く使われる。

使用例せんひき取って。 = 定規を取って。

解説国研の磐田市地点では「定規」に「センヒキ」と回答し、話者は子供の頃には「モノサシ」と言ったと注記している。一つの地点の回答から、市全体の学校や世代別の使用率は判断できない。

資料国立国語研究所 全国方言分布調査(2010〜2015年)磐田市地点:質問「じょうぎ(定規)」にセンヒキの回答(data-ID 25230)。原注:〈子供の頃はモノサシと言った〉

遠州弁かるた「だで」の絵札:雨の玄関で傘を手渡す家族
絵札:磐田物語
だで だで/で 国研 語尾・あいさつ

〜だから。理由を述べる。名詞・形容動詞には「だで」、動詞・形容詞には「で」が付く。「だもんで」より短い形。

使用例雨だで、傘持ってきな。 = 雨だから、傘を持っていきなさい。

資料国立国語研究所 全国方言分布調査(2010〜2015年)磐田市地点:質問「降っているから」にフッテルデの回答(data-ID 90680)

遠州弁かるた「だに」の絵札:壁のカレンダーを10月にめくる手
絵札:磐田物語
だに だに 語尾・あいさつ

〜だよ、〜なんだよ。断定や情報提供。名詞・形容動詞に付く。「に」より主張や念押しが強い。文の途中に置くと「〜のに」という逆接になり、「違うだに、なんで直さんだ(違うのに、なぜ直さないの)」のように使う。

使用例明日から10月だに。 = 明日から10月だよ。
遠州弁かるた「ため」の絵札:同い年の二人が肩を並べて笑う
絵札:磐田物語
ため ため 名詞・もの

同い年、同級。

使用例あいつとはためだに。 = あいつとは同い年だよ。
遠州弁かるた「だもんで」の絵札:寝不足で目をこすり、あくびをする人
絵札:磐田物語
だもんで だもんで 語尾・あいさつ

〜だから、〜なので。理由を、押しつけずやわらかく述べる。静岡・遠州を代表する接続表現。形容詞には「もんで」。

使用例寝不足だもんで、眠いわ。 = 寝不足だから、眠いよ。
遠州弁かるた「だら」の絵札:夕方の台所。カレーのにおいに気づいた子どもが鍋をのぞき込む
絵札:磐田物語
だら だら 国研国研 語尾・あいさつ

〜だろう、〜でしょう。推量や確認を求めるときの語尾。遠州弁を代表する言い回し。

使用例今日の夜ご飯カレーだら? = 今夜はカレーでしょ?

解説国研の磐田市1地点では「先生だろう」に「センセーダラ」「センセーズラ」、「行くのだろう」に「イクラ」「イクダラ」「イクズラ」が記録されている。回答条件は下の資料欄と本編の原注を参照。

資料国立国語研究所 全国方言分布調査(2010〜2015年)磐田市地点:質問「先生だろう」にセンセーダラの回答(data-ID 119895)/国立国語研究所 全国方言分布調査(2010〜2015年)磐田市地点:質問「行くのだろう」にイクダラの回答(data-ID 121426)

遠州弁かるた「血が死ぬ」の絵札:ぶつけた腕にできた青あざを見せる子ども
絵札:磐田物語
血が死ぬ ちがしぬ 国研 動作・行い

内出血する。打撲などで皮膚の下が鬱血し、変色した状態。

使用例ぶつけて血が死んじゃった。 = ぶつけて内出血してしまった。

資料国立国語研究所 全国方言分布調査(2010〜2015年)磐田市地点:質問「あざ(痣):内出血」にチカ゜シンダの回答(data-ID 23106)

遠州弁かるた「ちゃっと」の絵札:塩が切れた台所から、急いで買い物に出る人
絵札:磐田物語
ちゃっと ちゃっと 動作・行い

急いで、さっと。迅速な行動を促すときに。

使用例塩切れたで、ちゃっと買ってくるに。 = 塩が切れたから、急いで買ってくるよ。
遠州弁かるた「ちょうける」の絵札:記念写真で一人だけおどけたポーズをとる子ども
絵札:磐田物語
ちょうける ちょうける 1921 動作・行い

ふざける、おどける。

使用例写真撮るときにちょうけるな。 = 写真を撮るときにふざけるな。

資料『静岡県磐田郡誌』1921年、1249頁・旧於保村に「ちようける」の記録。原資料の意味「ふざける」。小書き仮名を使わない原表記。

遠州弁かるた「ちょっくら」の絵札:玄関で声をかけて、ちょっと出かける人
絵札:磐田物語
ちょっくら ちょっくら 程度・量

少し、ちょっと。

使用例ちょっくら出てくるで。 = ちょっと出かけてくるね。
遠州弁かるた「ちょびちょびする」の絵札:授業中にふざけて、先生に注意される子ども
絵札:磐田物語
ちょびちょびする ちょびちょびする 動作・行い

ふざける、調子に乗る。

使用例授業中にちょびちょびしとったら怒られた。 = 授業中にふざけていたら怒られた。
遠州弁かるた「ちんちん」の絵札:湯気を上げて沸き立つやかん
絵札:磐田物語
ちんちん ちんちん 形容・ようす

(お湯などが)とても熱いこと。やかんが沸いた状態など。

使用例お湯がちんちんだに、気いつけて。 = お湯がすごく熱いから、気をつけて。
遠州弁かるた「ちんぷりかえる」の絵札:小言を言われ、ほおをふくらませてそっぽを向く子ども
絵札:磐田物語
ちんぷりかえる ちんぷりかえる 気持ち

ふてくされる、すねる、へそを曲げる。激しい怒りではなく、どこか愛嬌のあるすね方。

使用例ちょっと言われてちんぷりかえっとる。 = 少し言われてふてくされている。
遠州弁かるた「っち」の絵札:友だちの家の前に自転車で集まる子どもたち
絵札:磐田物語
っち っち 語尾・あいさつ

〜のところ、〜の家。親しい人や集団を表す接尾辞。「オレっち」で自分の家・自分たち。

使用例今度、〇〇っち行ってみる? = 今度、〇〇の家に行ってみる?
遠州弁かるた「っちゅう」の絵札:人の名前を思い出そうと首をかしげる二人
絵札:磐田物語
っちゅう っちゅう 語尾・あいさつ

〜という。「〜という」がつづまった形。

使用例田中っちゅう人、知っとる? = 田中という人、知ってる?
遠州弁かるた「つっからかす」の絵札:押し合う子どもたちを止める大人
絵札:磐田物語
つっからかす つっからかす 動作・行い

突き飛ばす。

使用例人をつっからかしちゃいかんに。 = 人を突き飛ばしてはいけないよ。
遠州弁かるた「つぶれる」の絵札:動かなくなった洗濯機の前で困る人
絵札:磐田物語
つぶれる つぶれる 動作・行い

(機械などが)壊れる、動かなくなる。形がつぶれる意に限らない。

使用例洗濯機がつぶれちゃった。 = 洗濯機が壊れてしまった。
遠州弁かるた「つる」の絵札:教室で数人が机を持ち上げて運ぶ
絵札:磐田物語
つる つる 動作・行い

(机などを)持ち上げて運ぶ。「机をつる」で机を運ぶ。

使用例みんなで机つって。 = みんなで机を運んで。
遠州弁かるた「連れ」の絵札:友だちと釣りざおを持って出かける
絵札:磐田物語
連れ つれ 名詞・もの

友だち、仲間。

使用例連れと釣り行ってくる。 = 友だちと釣りに行ってくる。
遠州弁かるた「てんこちょ」の絵札:山のてっぺんにたどり着き、手を挙げる人
絵札:磐田物語
てんこちょ てんこちょ 名詞・もの

てっぺん、頂上。

使用例山のてんこちょまで登った。 = 山のてっぺんまで登った。
遠州弁かるた「ど」の絵札:玄関に届いた、ものすごく大きな荷物
絵札:磐田物語
ど ど〜 程度・量

ものすごく、超。強める接頭辞。「どでかい」など。やや乱暴できつい印象。

使用例どでかい荷物が届いた。 = ものすごく大きい荷物が届いた。
遠州弁かるた「とぶ」の絵札:急いで駆けていく子ども(空を飛ぶ絵にはしない)
絵札:磐田物語
とぶ とぶ 動作・行い

走る、走っていく。飛行ではなく地上を急いで駆けること。「とんでく」とも。

使用例急ぐで、とんでいきな。 = 急ぐから、走っていきなさい。
遠州弁かるた「どべ」の絵札:運動会のかけっこで最後にゴールする子ども
絵札:磐田物語
どべ どべ 程度・量

最下位、びり。

使用例かけっこでどべだったわ。 = かけっこでびりだったよ。
遠州弁かるた「とる」の絵札:窓の外の雨を確かめる人
絵札:磐田物語
とる 〜とる/〜どる 語尾・あいさつ

〜ている。動作の進行や結果の状態を表す。湖西・西遠で優勢で、東遠ではあまり使われないとされる。磐田では「〜てる」と併存しているとみられる。

使用例雨、まだ降っとる? = 雨、まだ降ってる?
遠州弁かるた「とろい」の絵札:のんびり作業する人と、傾いていく日
絵札:磐田物語
とろい とろい/とろくさい 1921 形容・ようす

のろい、鈍い、気が利かない。

使用例そんなとろくさいことしとったら日が暮れるに。 = そんなのろいことをしていたら日が暮れるよ。

資料『静岡県磐田郡誌』1921年、1249頁・旧福島村に「とろい」の記録。原資料の意味「のろい」。

遠州弁かるた「とんじゃかない」の絵札:服装を気にせず出かける、のんきな人
絵札:磐田物語
とんじゃかない とんじゃかない 形容・ようす

頓着しない、気にしない、無頓着だ。

使用例あの人は服装にはとんじゃかないでね。 = あの人は服装には無頓着だからね。
遠州弁かるた「とんます」の絵札:てんとう虫を手のひらで捕まえた子ども
絵札:磐田物語
とんます とんます 動作・行い

捕まえる。虫などを捕獲すること。

使用例てんとう虫とんました。 = てんとう虫を捕まえた。
遠州弁かるた「ない」の絵札:朝、布団の中の子どもを起こす家族
絵札:磐田物語
ない 〜ない 国研 語尾・あいさつ

〜しなさい。動詞の連用形に付く(「書きない」「起きない」)。否定の「ない」ではなく、やわらかな命令。

使用例早く起きない。 = 早く起きなさい。

資料国立国語研究所 全国方言分布調査(2010〜2015年)磐田市地点:質問「起きろ」にオキナナイの回答(data-ID 70018)。原注:〈オキョー(ゆ)とは言わない〉

遠州弁かるた「ながらみ」の絵札:浜で拾った巻き貝(ダンベイキサゴ)と、塩ゆでの鍋
絵札:磐田物語
ながらみ ながらみ 名詞・もの

ダンベイキサゴ。遠州灘の砂浜にすむ食用の巻き貝。

使用例ながらみ、塩ゆでにするとうまいに。 = ダンベイキサゴは、塩ゆでにするとおいしいよ。

解説千葉県の九十九里などでも同じ呼び名がある。遠州灘に面した福田・竜洋の浜の暮らしとかかわる語である。

遠州弁かるた「なんしょ」の絵札:買い物袋から食べきれないほどの食べ物があふれる台所
絵札:磐田物語
なんしょ なんしょ 程度・量

やたらに、むやみに。

使用例なんしょ買ってきても食べきれんに。 = やたらに買ってきても食べきれないよ。
遠州弁かるた「なんだ」の絵札:晴れた空と、雨の降らなかった乾いた畑
絵札:磐田物語
なんだ 〜なんだ 国研 語尾・あいさつ

〜なかった。過去の否定を表す形。「行かなかった」に対する国研の磐田市地点の回答に「イカナンダ」がある。

使用例昨日は雨、降らなんだ。 = 昨日は雨が降らなかった。

資料国立国語研究所 全国方言分布調査(2010〜2015年)磐田市地点:質問「行かなかった」にイカナンダの回答(data-ID 64329)

遠州弁かるた「に」の絵札:時計を見て、時間の早さに驚く人
絵札:磐田物語
に に/にぃ 語尾・あいさつ

〜よ、〜ね。動詞・形容詞に直接付いて、やわらかく事実を伝える。

使用例早いに。 = 早いよ。
遠州弁かるた「ねち」の絵札:頬に手を当て、歯ぐきの腫れを気にする人
絵札:磐田物語
ねち ねち 名詞・もの

歯ぐき、歯茎。高齢層に残る言い方。

使用例ねちが腫れてまった。 = 歯ぐきが腫れてしまった。
遠州弁かるた「のうなる」の絵札:ポケットを探って、財布がないことに気づく人
絵札:磐田物語
のうなる のうなる 動作・行い

無くなる。「無う(のう)なる」から。

使用例財布がのうなった。 = 財布が無くなった。
遠州弁かるた「はいぼ」の絵札:たき火の灰を畑にまく人
絵札:磐田物語
はいぼ はいぼ 1921 名詞・もの

灰。

使用例たき火のはいぼを畑にまく。 = たき火の灰を畑にまく。

資料『静岡県磐田郡誌』1921年、1250頁・旧袋井町に「はいぼ」の記録。原資料の意味「はひ」。原注「灰」。

遠州弁かるた「ばか」の絵札:照りつける日差しにうだる人
絵札:磐田物語
ばか ばか 程度・量

とても、すごく。程度を強める。けなす意味ではない。

使用例今日はばか暑いなあ。 = 今日はすごく暑いなあ。
遠州弁かるた「はならかす」の絵札:洗濯物を間をあけて物干しに干す人
絵札:磐田物語
はならかす はならかす 動作・行い

離す、間を空ける。

使用例洗濯物ははならかして干さんと。 = 洗濯物は離して干さないと。
遠州弁かるた「ひずるしい」の絵札:夏のかんかん照りの下、手をかざして目を細める人
絵札:磐田物語
ひずるしい ひずるしい 形容・ようす

まぶしい。日照の強い遠州の、夏のカンカン照りの眩しさを表す。「ひどろしい」とも。

使用例今日はひずるしくって目が開けれん。 = 今日はまぶしくて目が開けられない。
遠州弁かるた「ひぼ」の絵札:新聞の束をひもで縛る手
絵札:磐田物語
ひぼ ひぼ 名詞・もの

ひも(紐)。

使用例新聞はひぼで縛って出しない。 = 新聞はひもで縛って出しなさい。
遠州弁かるた「ぶしょったい」の絵札:だらしない格好で出かけようとする人と、それを止める家族
絵札:磐田物語
ぶしょったい ぶしょったい 形容・ようす

だらしない、無精な感じでみっともない。

使用例そんなぶしょったい格好で行くの。 = そんなだらしない格好で行くの。
遠州弁かるた「ふんずばす」の絵札:足元の虫を踏んでしまい、はっとする人
絵札:磐田物語
ふんずばす ふんずばす 動作・行い

踏みつぶす、強く踏む。

使用例虫、ふんずばしちゃった。 = 虫を踏みつぶしてしまった。
遠州弁かるた「ぼっかける」の絵札:犬に追いかけられて走る子ども
絵札:磐田物語
ぼっかける ぼう/ぼっかける 動作・行い

追う、追いかける。

使用例犬にぼっかけられた。 = 犬に追いかけられた。
遠州弁かるた「ほかる」の絵札:紙くずを丸めてくずかごに捨てる手
絵札:磐田物語
ほかる ほかる 動作・行い

捨てる。「ほかっといて」で捨てておいて。

使用例その紙、ほかっといて。 = その紙、捨てておいて。
遠州弁かるた「ほそば」の絵札:屋敷を囲むイヌマキの生垣を刈り込む人
絵札:磐田物語
ほそば ほそば 名詞・もの

イヌマキ(犬槙)。細い葉からの呼び名とみられる。遠州の屋敷の生垣・防風垣に多い木。

使用例ほそばの垣根、そろそろ刈らんと。 = イヌマキの生垣、そろそろ刈らないと。

解説遠州の平野部では、冬の西風(からっ風)を防ぐ槙の垣根が屋敷を囲む景観が見られる。暮らしの景色がそのまま語彙に残った例といえる。その赤い実を「やんぞうこんぞう」と呼ぶこともあるとされる。

遠州弁かるた「ぼっちょ」の絵札:壁のスイッチを押して明かりをつける指
絵札:磐田物語
ぼっちょ ぼっちょ 名詞・もの

出っ張り。転じて、押しボタンやスイッチ。

使用例そのぼっちょ押すと電気がつくで。 = そのボタンを押すと電気がつくよ。
遠州弁かるた「ほっぽかす」の絵札:ほったらかしにされ、帰ってきた相手に詰め寄る人
絵札:磐田物語
ほっぽかす ほっぽかす 1921 動作・行い

ほったらかす、放置する、無視する。軽い非難を含む。

使用例あたしのことほっぽかしてどこ行ってたの。 = 私のことほったらかしてどこ行ってたの。

資料『静岡県磐田郡誌』1921年、1252頁・旧於保村に「ほつぽかす」の記録。原資料の意味「ほうりだす」。原注「投出す」。辞典に掲げる「放置する」との意味の違いに注意。

遠州弁かるた「ぽんぽん」の絵札:原付バイクで畑へ向かう人
絵札:磐田物語
ぽんぽん ぽんぽん 名詞・もの

オートバイ、原動機付自転車。エンジン音を写したことばとみられる。

使用例ぽんぽんで畑まで行く。 = バイクで畑まで行く。
遠州弁かるた「本家」の絵札:正月に本家の玄関へあいさつに訪れる家族
絵札:磐田物語
本家 ほんや 国研 名詞・もの

本家。「新家(しんや)」の対。標準語と同じ字だが、読みが「ほんや」となる。

使用例正月はまず本家へあいさつに行く。 = 正月はまず本家へあいさつに行く。

資料国立国語研究所 全国方言分布調査(2010〜2015年)磐田市地点:質問「ほんけ(本家)」にホンヤの回答(data-ID 35523)

遠州弁かるた「まい」の絵札:片付けを終え、湯のみを並べてお茶に誘う人
絵札:磐田物語
まい 〜まい/〜まいか 語尾・あいさつ

〜しよう、〜しようじゃないか。相手を誘う形。「行かまい」「やらまいか」。

使用例ちゃっと片付けて、お茶にしまい。 = 急いで片付けて、お茶にしよう。

解説誘いの言い方は一つではない。国研の磐田市地点では「行こうよ」に「イコーヨ」「イカザー」が記録され、後者には強く誘う場合に使うという注記がある。「まい」と「ざあ」を県内の地域だけで一律に区切らない。

遠州弁かるた「まめったい」の絵札:家の手伝いをこまめにこなす子ども
絵札:磐田物語
まめったい まめったい 形容・ようす

まめだ、労をいとわずよく働く、こまめだ。

使用例あの子はまめったいで、よう手伝ってくれる。 = あの子はまめだから、よく手伝ってくれる。

解説静岡方言の「まめったい」は、語の意味の移り変わりが研究の対象にもなってきた。人により意味の幅があるため、文脈で判断したい。

遠州弁かるた「みるい」の絵札:入学したばかりの1年生が並んで歩く姿
絵札:磐田物語
みるい みるい 形容・ようす

幼い、未熟な。

使用例1年生はみるくて可愛いなあ。 = 1年生は幼くて可愛いなあ。

解説川根茶の産地資料では、若く柔らかい新芽を「みる芽」と呼び、「若い・未熟」を意味する方言「みるい」と結びつけて説明している。茶の用法と人の幼さを表す用法の、どちらが先かは、この資料だけでは確定できない。

遠州弁かるた「もじかる」の絵札:からまった釣り糸をほどこうとする人
絵札:磐田物語
もじかる もじかる 動作・行い

からまる、もつれる。

使用例釣り糸がもじかっちゃった。 = 釣り糸がからまってしまった。
遠州弁かるた「やい」の絵札:忘れ物を手に、出かける人を呼び止める人
絵札:磐田物語
やい やい 気持ち

おい。人を呼び止めるときの呼びかけ。重ねた「やいやい」は嘆きの声になる。

使用例やい、忘れもんだに。 = おい、忘れ物だよ。
遠州弁かるた「やいやい」の絵札:うっかり口をすべらせた人を前に、額に手を当てる人
絵札:磐田物語
やいやい やいやい 気持ち

やれやれ、いやはや。がっかりした時や呆れた時に発する言葉。

使用例やいやい、もっと気いつけて話なよ。 = やれやれ、もっと気をつけて話しなよ。
遠州弁かるた「やっきりこく」の絵札:仕事をさぼる人を見ながら、ぶつぶつ愚痴をこぼす人
絵札:磐田物語
やっきりこく やっきりこく 1921 気持ち

腹が立つ、いらいらする。直接ぶつけられず、諦めまじりに愚痴としてこぼすような、鬱屈した怒り。「やっきりする」とも。

使用例あの人またサボってて、やっきりするわ。 = あの人またサボってて、腹が立つよ。

資料『静岡県磐田郡誌』1921年、1253頁・旧袋井町に「やつきりする」の記録。原資料の意味「ぢれつたくおもふ」。辞典の別形「やっきりする」と比較できる。

遠州弁かるた「やぶせったい」の絵札:伸びた前髪が目にかかり、手で払う子ども
絵札:磐田物語
やぶせったい やぶせったい 形容・ようす

うっとうしい、わずらわしい、じれったい。髪が目にかかるような、もどかしい不快感にも使う。

使用例前髪が伸びてやぶせったい。 = 前髪が伸びてうっとうしい。
遠州弁かるた「よさりかかる」の絵札:壁に寄りかかろうとする子どもと、たしなめる大人
絵札:磐田物語
よさりかかる よさりかかる 動作・行い

寄りかかる、体重を預ける。

使用例壁によさりかかったらいかんに。 = 壁に寄りかかったらだめだよ。
遠州弁かるた「ら」の絵札:湯のみを差し出して、飲むかとたずねる人
絵札:磐田物語
ら ら/らぁ 1921国研国研 語尾・あいさつ

〜だろう、〜でしょ。「だら」と同じく確認・同意を求める。語尾を伸ばして「らぁ」とも。動詞・形容詞に付きやすい。

使用例飲むら? = 飲むでしょ?/飲む?

資料『静岡県磐田郡誌』1921年、1253頁・旧袋井町に「ら」の記録。原資料の意味「だらう」。/国立国語研究所 全国方言分布調査(2010〜2015年)磐田市地点:質問「行くだろう」にイクラの回答(data-ID 120660)。原注:〈多〉/国立国語研究所 全国方言分布調査(2010〜2015年)磐田市地点:質問「行くのだろう」にイクラの回答(data-ID 121425)

遠州弁かるた「悪さん坊」の絵札:破れた障子の前で、いたずら顔の子ども
絵札:磐田物語
悪さん坊 わるさんぼう 名詞・もの

いたずらっ子、わんぱく。

使用例うちの悪さん坊がまた障子破った。 = うちのいたずらっ子がまた障子を破った。

遠州弁という、ことばの土地

磐田を中心とする中遠地域は、日本語の東西方言が交わる「漸移地帯」にある。否定に西日本ふうの「〜ん」を使う一方、東日本の特徴も併せ持つ。天竜川の東西、中遠と東遠でも少しずつことばが変わる、連続体としての方言である。同じ遠州弁でも、浜松・袋井・磐田で違いがあり、世代によっても使い方が移ろっている。

語尾でわかる、遠州弁。 遠州弁らしさは、文末に最もよく表れる。同じ「〜だろう」でも、確信の度合いや相手への配慮によって「ずら・だら・ら」を使い分け、さらにイントネーションでニュアンスが変わる。国研の磐田市1地点には三つの形が記録されている。これだけで現在の世代別使用率は判断できない(原回答と注記を読む)。

言い方意味・はたらき例
だら/ら〜だろう、〜でしょ。推量・確認を求める。遠州弁の代表格。行くら?=行くでしょ?
ずら〜だろう。古くからの推量表現。郡誌と国研の記録があり、回答には提示語形や使用頻度の注記も付く。そうずらなあ。=そうだろうなあ。
だに/に〜だよ、〜なんだよ。断定・念押し。名詞・形容動詞には「だに」、動詞・形容詞には「に」。明日から10月だに。/早いに。
だもんで〜だから。理由を、押しつけずやわらかく述べる。静岡を代表する接続表現。雨だもんで、傘持ってきな。
じゃんね/じゃんか〜じゃない。同意を求めたり、話を次へ繋ぐ。「じゃんか」は念押し・詰問。昨日さ、〜だったじゃんね。
け〜か。「〜か?」の角を取り、やわらかく問う。これけ?=これなの?
同じ「だら」でも、イントネーション次第。
行くら?(上げる)=行くよね?/ 行くらぁ(下げて伸ばす)=行くに決まってる/ 行くらっ?(つめる)=行きましょうよ。限られた語尾に抑揚を掛けて、繊細に気持ちを伝え分ける。

否定・推量・命令・誘い。 文法の核は、否定・推量・勧誘・命令にある。否定は西日本ふうの「〜ん」。過去否定には「〜なんだ」「〜んかった」などの形がある。国研の磐田市地点には「イカナンダ」が記録されている。誘いの「〜まい」、やわらかい命令の「〜りん/〜きん」「〜ない」「〜ごう」も特徴的である。

はたらき遠州弁例
否定〜ん行かん=行かない
過去否定〜んかった/〜なんだ降らなんだ=降らなかった
可能(ら抜き・れ足す)食べれる/行けれるこれ食べれる?/一人で行けれる
強い不可能〜やせん/〜れやせんそんなん行けやせん=到底行けない
勧誘〜まい(か)/やらまいみんなでやらまい=みんなでやろう
やわらか命令〜ない/〜ごう/〜りん食べてごぅ/早く起きない

「ん」に集まる助詞、品詞のつくりかえ。 会話のテンポを重んじて、格助詞「が・の・を・に」がしばしば落ちたり、撥音「ん」に置きかわったりする。また、形容動詞の語尾に「い」を付けて形容詞にする、独特の言い回しもある。

種類標準語 → 遠州弁
助詞が「ん」に雨が降ってきた → 雨ん降ってきた
俺の手ぬぐい → 俺ん手ぬぐい
大工になった → 大工んなった
形容動詞→形容詞横着な → 横着い/上手な → 上手い(じょうずい)
賑やかな → 賑やかい/丈夫な → 丈夫い

「イワタ」のアクセント。 遠州では、ことばの最初の音を強く言う「頭高型」が好まれる。標準語では平板に言う「あくび」も、遠州では「あ」を強く言う。地名でもこの傾向は強い。「磐田」を、全国的な放送では平板に「イワタ」と読むが、地元では「イ」を強く言う頭高型の「イワタ」である。

「ジュビロ磐田」のアクセント問題。
ジュビロ磐田がJリーグに参加したのは1994年である。全国放送が当初、平板の「イワタ」と読んだところ、地元から「発音が違う」と声が上がった。クラブや地元の働きかけで、「イ」を強く言う頭高型の「イワタ」が放送でも周知されていったと伝えられる。アクセントは、地域への帰属意識そのものなのである。

「やらまいか」── ことばに宿る気質。 遠州人の気質を最もよく表すのが「やらまいか(一緒にやろうじゃないか、とにかくやってみよう)」である。失敗を恐れず新しいことに挑む進取の気性を表し、ヤマハやスズキといった企業を生んだ風土の支柱ともいわれる。一方で、「いいにする」「やっきりこく」「しょんない」といった言葉には、対立を避け、穏やかに物事を収めようとする心性もにじむ。挑む気概と、和を尊ぶやわらかさ。その両方が、遠州のことばには息づいている。

遠州弁を、もう一歩深く

「もっと知りたい」という声をいただいた。辞典に並べた言葉が、遠州のどこで、どのように使われ、どう調べられてきたのか。この頁では、ことばの地図、東と西の境目、音のしくみ、そして研究の歩みをたどる。辞典が「引く」ための頁なら、こちらは「読む」ための頁である。

ことばの地図 ── 遠州弁のなかの磐田

遠州弁は一枚岩ではない。遠州弁の概説では、遠州をおおむね次の6つに分けて説明することが多い(区分の名称や範囲は解説によって多少異なる)。磐田はこのうち中遠にあたる。

地区おもな範囲ことばの傾向
湖西湖西市愛知県に接し、三河のことばに近い
北遠浜松市天竜区の山間部古い言い方がよく残るとされる
西遠浜松市の平野部一般に「遠州弁」として知られる形
中遠磐田市・袋井市・森町など西遠と東遠のあいだ。両方の特徴が重なる
東遠掛川市から大井川まで駿河(静岡市など)のことばに近づく
南遠御前崎市など沿岸部沿岸部としての特色をもつとされる
遠州6地区と天竜川・大井川の位置関係(模式図) 西(愛知県側)東(駿河側) 湖西 北遠(山間部) 西遠(浜松平野) 天竜川 中遠磐田・袋井・森町など 東遠 大井川 南遠(沿岸部)
図1 遠州6地区の並びと二つの川(位置関係のみを示す模式図。境界・面積は正確ではない)

地区の境目には川がある。天竜川は、磐田と浜松を分ける川であると同時に、ことばの境目としても現れる。辞典に加えた「けった(自転車)」は天竜川の西で多く、東では少ないとされる。橋が架かるまで、この大河は渡船でしか越えられなかった(天竜川を渡る ── 渡船・助郷・橋の三百年)。往来が川で区切られていたことが、語彙の分かれ目に関わっている可能性がある。ただし、これは推定にとどまる。

東の境目は大井川である。掛川から大井川までの東遠は、アクセントも母音の響きも駿河に近い。天竜川と大井川にはさまれた中遠は、遠州のなかでも「あいだ」のことばを話す土地だといえる。

東と西の境目 ── 指標で見る遠州弁

日本語の東西の方言は、教科書ではしばしば「糸魚川・浜名湖線」を境にして説明される。ところが遠州は、この線のすぐ東にありながら、西日本ふうの言い方をいくつも持っている。項目ごとに東西どちらの形をとるかを並べると、遠州弁の立ち位置が見えてくる。

指標東日本型西日本型遠州(磐田)
打消し行かない行かん行かん(西)
断定雨だ雨や・雨じゃ雨だ(東)
進行・状態降ってる降っとる降っとる/降ってる(併存とみられる)
誘い行こう(駿河では「行かざあ」)やろまい(尾張など)行かまい(西寄り)
アクセント東京式京阪式東京式(東)
指標ごとに遠州(磐田)がとる東西の型(模式図) ← 東日本型西日本型 → 打消し行かん断定雨だ進行・状態降っとる/降ってる誘い行かまいアクセント東京式
図2 上の表を線上に置き直した模式図。点の位置は東西どちらの型かを示すだけで、程度を測ったものではない

打消しの「ん」と「ない」の境は、大井川の近く、島田のあたりにあるとされる。「ん」は浜名湖の線を越えて、東へ大きく張り出しているのである。静岡県内でも、静岡市では「行かない」、磐田では「行かん」となる。一方で、断定の「だ」とアクセントは東日本の型である。文の骨組みは東、打消しや誘いの言い回しは西。遠州弁は、いくつもの境界線が少しずつずれて通り抜けていく土地のことばである。

磐田には東海道の見付宿があり、東西の人と物が行き交う道筋にあった(磐田の街道と宿場を総合する)。ことばの混じり合いを街道だけで説明することはできないが、往来の多い土地であったことは、東西の要素が重なる背景の一つとして考えてよいだろう。

学説の整理 ── 遠州弁は「東」の方言か

遠州弁を日本語の方言区画のどこに置くかについては、重心の置き方が異なる二つの見方がある。

見方A:東部方言に含める(古典的な方言区画)

東条操による古典的な方言区画では、静岡県のことばは東部方言の「東海東山方言」に含まれ、長野・山梨とともに「ナヤシ方言」とまとめられる。根拠は、東京式アクセントであること、断定に「だ」を使うことなど、ことばの骨格が東日本の型に属する点にある。弱点は、打消しの「ん」、誘いの「まい」、「〜とる」といった西日本的な特徴が遠州に多いことを、区画の上では説明しにくい点である。

見方B:東西の漸移地帯とみる(方言地理学の立場)

国立国語研究所『方言文法全国地図』などで項目ごとの分布を重ねると、東西を分ける線は一本ではなく、項目によって位置がずれる。遠州はその線が束になって通る帯の中にあり、「東でも西でもない、移り変わりの土地」とみる見方である。根拠は分布そのものにあり、実態をよく写している。弱点は、漸移地帯という言い方が区画の線を引かないため、どこまでを遠州弁と呼ぶかがかえって曖昧になる点である。

本稿の立場

二つの見方は、対立というより見る粒度の違いである。本稿では、区画としては東部方言に置き、そのうえで個々の語法には西日本との連続が色濃い、と両方を併記する。「文法と語法」の冒頭で遠州弁を「漸移地帯」のことばと書いたのは、見方Bに立った説明である。

音のしくみ ── アクセントと音の変化

遠州のアクセントは東京式だが、東京とまったく同じではない。平山輝男ほか編『静岡県のことば』(2002年)などの整理によれば、袋井から浜松にかけては「外輪東京式」、掛川から大井川までは「中輪東京式」、湖西は型の区別が少ない東京式とされる。磐田は外輪東京式の地域に入る。

ことば東京遠州(中遠・西遠)
暑い・痛い(3拍の形容詞の一群)アツ\イ(中高)ア\ツイ(頭高)
起きる(3拍の一段動詞)オキ\ル(中高)オ\キル(頭高)
西・東・南ニシ(平板)ニ\シ(頭高)

表の「\」は、その直後で音が下がる位置を示す。3拍の形容詞のうち「暑い」「痛い」などの一群が頭高になるのは中遠・西遠の特徴で、東遠や湖西では中高になるとされる。「起きる」のような3拍の一段動詞の頭高は、静岡県に特有の型といわれる。辞典の文法欄で触れた「イワタ」の頭高も、この傾向の延長にある。

音の変化では、サ行の動詞に起こる「イ音便」が目立つ。「写した」が「写いた」、「燃やした」が「燃やいた」になる。ただし「貸す」「消す」のような2拍の動詞では起こりにくい。また、外輪東京式の地域では、「きく」「すし」などの母音が弱まる無声化がやや活発とされる。

「ジュビロ磐田」のアクセント、補足。
ジュビロ磐田がJリーグに参加したのは1994年である。全国放送が当初、平板の「イワタ」で読んだことに対し、クラブと地元から要望が寄せられ、頭高の「イ\ワタ」が周知されていったと伝えられる。

打消しと逆接の、細かな使い分け

文法欄で示した打消しの「ん」には、過去や可能と組み合わさると、さらに細かな形がある。逆接(〜けれど)の言い方も、遠州のなかで地域差がある。

はたらき形例と注
過去の打消し〜なんだ降らなんだ。古い形で、高齢層に多い
〜んかった降らんかった。現在の世代別の広がりには別途調査が必要
〜んけ降らんけ。中遠・東遠で使われるとされる
できない行けん/見れん五段動詞は「行けん」、一段動詞は「見れん」(ら抜き)
見れれん「れ足す」形の打消し
迷惑をこめた打消し〜やせん行きやせん。「行くものか」という気持ちがにじむ
逆接(〜けれど・〜のに)だに違うだに、なんで直さんだ。=違うのに、なぜ直さないの
けんが/けえが/けん行きたいけんが、暇がない。中遠・東遠で使われるとされる

「だに」は、文末では「〜だよ」という断定・念押しになるが、文中に置くと「〜のに」という逆接になる。同じ形が位置によって働きを変えるのも、遠州弁の面白さである。

学説の整理 ── 「やらまいか」は誘いか、気質か

文法欄で紹介した「やらまいか」には、二つの読み方がある。

読みA:誘いの語法(文法上の意味)

「まい」は動詞の未然形に付く誘いの形で、「行かまい」は「行こう」、「やらまいか」は「一緒にやろうじゃないか」である。根拠は語法そのものにあり、方言の記述としては揺るがない。弱点というより限界として、この読みだけでは、なぜこの一語が地域の合言葉になったのかは説明できない。

読みB:挑戦の気質(地域の自己像)

「とにかくやってみよう」「やってやろうじゃないか」と、自らを鼓舞する言葉として受け止める読み方である。浜松を中心に、ものづくりの企業を生んだ進取の気性を表す言葉として語られ、地域の標語としても用いられてきたといわれる。弱点は、誘いの「まい」を自分の意志の表明として読みかえている点で、本来の語法からは離れていると指摘されることがある。

本稿の立場

本稿では、語法としての意味は読みA、地域が自らを語る言葉としての広がりは読みB、と区別して扱う。後者を誤用として退けるのではなく、ことばが地域の自己像を担うようになった過程そのものを、遠州の近代の記憶として記録しておきたい。

磐田で記録されてきた方言

方言は、辞典や研究書だけでなく、地域の人びとの手でも記録されてきた。磐田市立図書館の資料案内「磐田の方言」(解説シート③、平成26年度作成)は、市内各地区でまとめられた冊子として次のものを挙げている。

  • 『磐田地方の方言集』
  • 『竜洋町の方言 訛集』
  • 『ふくで方言集』
  • 『おらん生まれた長野ん方言』

この解説シートで確認できるのは資料名と案内区分であり、個々の語の意味や分布ではない。語義や地域差を確かめるには、紹介されている各冊の本文まで確認する必要がある。

最後の書名は、それ自体が遠州弁の見本になっている。「おらん生まれた」は「おれが生まれた」、「長野ん方言」は「長野の方言」。文法欄で見た、助詞が「ん」に集まる現象が、そのまま題名になっているのである。同じ案内は、県域の資料として『静岡方言辞典』『静岡県の方言』『静岡県のことば』『天竜川・大井川流域の言語分布』などを、隣接地の音声資料として袋井市の『浅羽の方言いろいろ』を紹介している。

こうした地区の方言集は、土地の言葉をもっとも近くで写した記録であり、方言研究にとっては一次資料に近い価値をもつ。一方で、話者の年齢や採録の年代、どの集落の言葉かが明記されていないものもあり、ある語が「磐田全体の言葉」なのか「その地区の言葉」なのかは、書き留められた条件を確かめて読む必要がある。地名が大字や集落ごとに異なるのと同じく、ことばも小さな単位で違っている(地名から磐田を読む)。祭りや年中行事の場には、そこでしか使われない言葉も残る(磐田の民俗と信仰を総合する)。

オンラインで本文・地点を照合できる資料

市内の冊子そのものとは別に、公開資料から語形と採録範囲を照合することもできる。磐田市立中央図書館が国立国会図書館のレファレンス協同データベースへ登録した「遠州弁」についての回答は、市内を天竜川東側の「川東」と位置づけ、上の4冊に『俺ん地方の方言集』『豊田町の方言』を加えた6冊を紹介している。

国立国会図書館デジタルコレクションで全文公開されている静岡県磐田郡教育会編『静岡県磐田郡誌』第23章「風俗」第7節「方言」(1921年、1242〜1254頁)には、語形・意味と旧町村名が並ぶ。「あんもう(餅)」(1242頁)のほか、追加語では「こく(言ふ)」(1246頁)、「ちょうける(ふざける)」(1249頁)、「はいぼ(灰)」(1250頁)の語形と中心的な意味を確認できる。ただし、当時の磐田郡は現在の磐田市より広く、各語の右に記された旧町村名を無視して「磐田市全体の語」とは扱えない。

国立国語研究所の全国方言分布調査(2010〜2015年)の公開データには、磐田市1地点の回答が287件ある。質問「定規」への「センヒキ」、質問「先生だろう」への「センセーダラ」「センセーズラ」、質問「行くのだろう」への「イクラ」「イクダラ」「イクズラ」を確認できる。追加語の「本家(ほんや)」「新家(しんや)」も、質問L-41「ほんけ(本家)」への「ホンヤ」、L-42「ぶんけ(分家)」への「シンヤ」と対応する。これは回答語形と市名を直接結ぶ根拠になる一方、1地点の調査なので、市内の地区差や現在の使用頻度までは示さない。

語彙の成り立ち ── 古いことば、暮らしのことば、新しいことば

辞典に並べた語は、出自で見ると大きく三つに分けられる。一つは、かつて都でも使われた古い語が、意味をとどめたまま土地に残ったもの。二つ目は、茶・農・漁・家といった暮らしの場から生まれたもの。三つ目は、比較的近年に周辺から入ってきた新しい語である。分類はあくまで本稿の整理であり、語源が確定していない語も含む。

成り立ち語の例手がかり
古語の残存こわい(硬い)/おぞい(粗末な)/せせる(つつく)/在所(実家)「こわい」は古語「こはし(強し)」、「こわめし」の「こわ」と同じとされる。古い意味が標準語では失われ、方言に残った例である
茶業との関わりみるい(幼い)川根茶の産地資料は、若く柔らかい新芽を「みる芽」と呼ぶ。茶と人に用いる意味の関係を考える手がかりになるが、意味が広がった順序までは確定できない
屋敷と家ほそば(イヌマキ)/新家(しんや)・本家(ほんや)/在所槙の生垣が屋敷を囲む景観、本家・分家の続柄が日常の呼び名として生きていたことを映す
浜と川ながらみ(ダンベイキサゴ)/けった(自転車)遠州灘の浜の暮らし。「けった」は天竜川の西に多いとされる
新方言けった名古屋方言から広がった比較的新しい語と説明されることが多い

古語の残存は、方言研究で古くから注目されてきた現象である。都で生まれた語が周辺へ広がり、中心では新しい言い方に置きかわっても、周辺には古い形が残る。ただし遠州は東海道の往来が盛んな土地で、古い語がただ「取り残された」とみるのは単純にすぎる。往来のなかで新旧の語が重なり合った結果とみるほうが、実態に近いだろう。磐田の地名にも同じように古い層が重なっている(地名から磐田を読む)。

「気づかない方言」と、ことばの継承

方言のなかには、話し手が標準語だと思いこんで使っている語がある。方言学で「気づかない方言」と呼ばれるものである。遠州でいえば、定規を言う「せんひき」がその代表だろう。国立国語研究所の全国方言分布調査(2010〜2015年)でも、磐田市の地点で「定規」に「センヒキ」の回答が記録されている。学校で使う文房具の名だけに、進学や就職で県外へ出て初めて方言だと知る、という話がよく語られる。

反対に、話し手がはっきり方言と自覚している語もある。静岡新聞の報道によれば、静岡県立大学の谷口ジョイ教授の研究室が2024年に県内1,770人を対象に行った調査では、「いいにする」の中止・妥協・許容・中断の4つの意味のすべてで、9割以上が「使う」または「わかる」と答えた。同じ報道は、「やっきりする」「おだっくい」「ごせっぽい」などは若い世代であまり使われなくなっているとも伝えている。

ことばの継承は一様ではない。生活の場面に結びついた語は残りやすく、道具や生業が変われば語も消えていく。茶の「みる芽」のように、同じことばに結びつく用法を知ることは、暮らしとの関わりを考える手がかりになる。この辞典に古い語と新しい語を並べて残すのは、そうした移り変わりの途中を記録しておくためでもある。暮らしの記録は、民俗や信仰の記録とも重なり合う(磐田の民俗と信仰を総合する)。

この辞典の引き方

  • 遠州弁から引く:「だら」「やぶせったい」などをそのまま入力する。ひらがなでもカタカナでもよい。見出し語と完全に一致する語、先頭が一致する語の順に上へ並ぶ。
  • 標準語から引く:「捨てる」「疲れた」「定規」「ごみ」のように、意味の側から入力する。各語に付けた類義の標準語でも照合する。
  • 複数の語で絞る:空白で区切ると、すべてを含む語だけが残る(例:「捨てる 放っておく」)。
  • 五十音・分類で絞る:行(あ・か・さ…)と分類のボタンは、検索語と組み合わせて使える。
  • 検索結果を共有する:検索するとページのアドレスに条件が入る。そのアドレスを送れば、同じ検索結果を開ける。

見つからない場合は、近い読みの語を候補として表示する。それでも見つからない語は、まだ辞典に入っていない語である。地区や世代によって形が違う語も多いため、お気づきの点は掲示板などでお寄せいただければ、少しずつ書き加えていきたい。

研究の歩み

遠州弁を含む静岡県の方言は、全国規模の調査と地域の記録の両面から明らかにされてきた。全国規模では、東条操の方言区画が遠州を東部方言に位置づけ、国立国語研究所の『日本言語地図』(1966〜1974年)と『方言文法全国地図』(1989〜2006年)が、語彙と文法の分布を地図に落とした。中部地方の方言の概説としては『講座方言学6 中部地方の方言』(国書刊行会、1983年)がある。県単位の辞典としては、明治42年(1909年)の原本を復刻した『静岡県方言辞典』(国書刊行会、1975年)が約4,000語を五十音順に収め、静岡県方言研究会ほか『図説静岡県方言辞典』(吉見書店、1987年)が県内79地点・700項目の分布を図表にした。『えーらしぞーか 静岡県方言誌』(静岡新聞社、2007年)は1,226語を全国分布の型で分類している。県単位のまとまった記述としては、平山輝男ほか編『日本のことばシリーズ22 静岡県のことば』(明治書院、2002年)が、区画・アクセント・文法・語彙を通覧している。ただし、全国調査の地点は市町村に一つか二つにとどまることが多く、磐田市内の地区ごとの違いまでは拾いきれない。その隙間を埋めるのが、前節の地区の方言集である。

用語解説

漸移地帯(ぜんいちたい)
方言の特徴が一本の線で切り替わらず、項目ごとに少しずつ移り変わっていく地域。
東京式アクセント
東京をはじめ東日本・中国地方などに広がるアクセントの型。京阪式と対比される。東京に近い型から順に「中輪」「外輪」などと細分される。
頭高型(あたまだかがた)
最初の拍が高く、2拍目で下がるアクセント。「イ\ワタ」の型。
平板型(へいばんがた)
1拍目が低く、2拍目以降が高いまま下がらないアクセント。
イ音便
活用のときに音が「イ」に変わる現象。遠州ではサ行の動詞でも起こり、「写した」が「写いた」になる。
気づかない方言
話し手が標準語だと思って使っている方言。遠州の「せんひき(定規)」など。
新方言
比較的近年に生まれたり、周辺から入ってきたりして広がった方言。標準語とも古い方言とも違う形をもつ。「けった」がその例とされる。
古語の残存
古くは中央でも使われた語や意味が、標準語では失われ、方言に残っている現象。「こわい(硬い)」など。
無声化
「き」「す」などの母音が、声帯を震わせずにささやくように発音される現象。
この辞典は、磐田・中遠地域を中心とした遠州弁を集めたものである。遠州弁は浜松・袋井・磐田など地域によって、また世代によって使い方や意味に違いがあり、ここに載せた意味や用例は一例である。用例は作例である。土地や人によって異なる場合があり、お気づきの点は少しずつ書き加え、直していきたい。

遠州弁かるた122枚:磐田物語(2026年10月12日公開、生成AIを用いて新規制作)。絵札は作例の場面を描いたもので、語の使われ方や地域を示す資料ではない。「磐田ことば調査」の集計は読者の自己申告による参考値である。

絵札の利用について 学校・公民館・図書館・介護施設・地域の集まりなどでの非営利の利用(授業の教材、かるた会、掲示、印刷して配る など)は、申し出なしで自由に使ってよい。その際は「出典:磐田物語 遠州弁辞典(https://iwata-monogatari.net/c006)」と明記してほしい。販売・商品化・有料の講座や催しなど営利での利用は、事前に運営者(富士ヶ丘サービス株式会社 0538-31-3308)へ相談されたい。この条件は遠州弁かるたの絵札・読み札に限り、佐口行正氏所蔵史料には適用されない。

主な参考資料

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この記事について

著者
大石浩之(磐田市/富士ヶ丘サービス株式会社 代表)
磐田市で不動産・介護事業を営みながら、地域の歴史・地名・寺社・暮らしの記録を調べています。磐田物語では、公開資料と現地情報を確認しながら、地域の記憶をWeb上に残しています。
参考資料
佐口行正氏所蔵資料、磐田市・静岡県等の公開資料、現地確認、郷土史関連資料を参考にしています。記事ごとに主要な参考資料がある場合は、個別に追記してください。
作成方針
本記事は、資料をもとに、史実・地名・地理・時代背景を確認しながら、読みやすい地域史コンテンツとして再構成しています。誤りや補足情報がある場合は、運営者までお知らせください。

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古い地名や集落の成り立ちを調べていると、 家や土地には、登記簿だけでは分からない地域の記憶が残っていることがあります。

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