間、すきま。
ENSHU BEN | 磐田・中遠のことば
「だら」「だに」「やぶせったい」── 磐田を中心とする中遠地域で受け継がれてきた方言、遠州弁。何気なく使っている言葉も、外の人には通じない、このまちならではのことばかもしれない。語彙と、その使い方、そして文法の特徴を集めた覚え書きである。
遠州弁の一覧・意味・使い方を調べる
用例は、掲載した意味・用法をもとに編集部が作成した作例です。実際の話者の発話を引用したものではなく、地域や世代によって使い方が異なる場合があります。
資料の印語の横の印は、公開資料で語形や意味の記録を確かめられることを示します(現在30語)。1921は『静岡県磐田郡誌』(1921年)の方言の記録、国研は国立国語研究所「全国方言分布調査」(2010〜2015年)の磐田市地点の回答です。郡誌の旧町村名は現在の市域と一致しません。印のない語には、現時点で個別の一次資料との対応を示していません。原表記・回答の注記は磐田ことば資料室で確認できます。
遠州弁かるた122語すべてに引札風の絵札を添えました。「絵札で並べる」では、小さな絵札と意味・使用例・標準語訳を一緒に読めます。絵札を押すと解説と資料も開きます。絵は生成AIを用い、作例の場面から新規制作したものです。絵札・読み札を印刷する(PDF)/制作と遊び方。学校などでの非営利の利用は、出典を明記すれば自由です(利用について)。
磐田ことば調査各語の「使う/聞いたことがある/知らない」に答えると、語ごとの集計に加わります。氏名や連絡先は聞きません。割合は回答が30件に達した語から表示します。読者の自己申告による参考値で、学術調査の結果ではありません。辞典にないことばや家での言い方は、掲示板で教えてください。
遠州弁122語を五十音順で掲載しています。JavaScriptが使えない場合も、このまま意味・作例・標準語訳を読めます。ページ内検索も利用できます。
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122 語
間、すきま。
安心、気楽。「あんきだ」で、のんびりしている、気が楽だ。
解説漢字では「安気」と書く。遠州に限らず各地の方言に見られる語である。
餅。
解説静岡県磐田郡教育会編『静岡県磐田郡誌』(1921年)1242頁には、「あんもう」の語形で餅を指す記録がある。ここに掲げた「あんも」とは表記が異なる。
資料『静岡県磐田郡誌』1921年、1242頁・旧福島村に「あんもう」の記録。原資料の意味「餅。又は萩の餅」。原注「餡餅」。辞典の「あんも」と語形が異なる。
記事磐田ことば資料室
〜にしておく、やめておく、これで良しとする。対立を避け、穏やかに物事を収めるときの言葉。中止・妥協・許容・中断と幅広く使う。
解説静岡新聞の報道によれば、静岡県立大学の谷口ジョイ教授の研究室による2024年の県内調査(1,770人)で、中止・妥協・許容・中断の4つの意味のすべてについて9割以上が「使う」または「わかる」と答えた。県外ではほとんど知られていない語とされる。
曲がる、ゆがむ。
資料『静岡県磐田郡誌』1921年、1243頁・旧福島村に「いがむ」の記録。原資料の意味「ゆがむ(歪む)」。
記事磐田ことば資料室
蒸し暑さにまいる、むっとする。
解説標準語の「草いきれ」「人いきれ」の「いきれ」と同じ語根をもつ動詞である。
いじる、触る。
資料『静岡県磐田郡誌』1921年、1243頁・旧福島村に「いぜる」の記録。原資料の意味「いぢる」。
記事磐田ことば資料室
動く。
資料『静岡県磐田郡誌』1921年、1243頁・旧袋井町に「いのく」の記録。原資料の意味「動く」。
記事磐田ことば資料室
疲れた、しんどい。立派の意ではなく、体がきつい意で使う。
解説「疲れた・つらい」の意の「えらい」は、東海地方から近畿にかけて広く使われる。遠州のことばが西日本と連続している例の一つである。
だめだ、いけない、手に負えない。「いかん」と近い。
資料『静岡県磐田郡誌』1921年、1244頁・旧袋井町に「おえん」の記録。原資料の意味「いかん」。原注は原画像を参照。
記事磐田ことば資料室
(まぶたなどが)重い、腫れぼったい。
解説「〜ったい」で終わる形容詞は静岡方言に多く、「やぶせったい」「ぶしょったい」と同じ型である。
粗悪な、品質が悪い、みすぼらしい。
解説古語の「おぞし」に連なる語とみられる。静岡県内で広く使われ、「おぞい家」「おぞい服」のように物の粗末さを言うことが多い。
資料『静岡県磐田郡誌』1921年、1244頁・旧浦川村に「おぞい」の記録。原資料の意味「わるい」。現在の磐田市域の記録として扱わない。
記事磐田ことば資料室
お調子者、すぐ調子に乗る人。
解説静岡県内で広く聞かれる語。近年の調査報道では、若い世代では使われにくくなっている語の一つとして挙げられている。
ひっつき虫。服に付くセンダングサ類などの種。「とびつか」とも。
引っかく、かきむしる。「かじる」を強めた形。
資料『静岡県磐田郡誌』1921年、1245頁・旧袋井町に「かじくる」の記録。原資料の意味「かく」。原注「引掻く」。
記事磐田ことば資料室
きれいな、美しい。
資料『静岡県磐田郡誌』1921年、1246頁・旧於保村に「けつこい」の記録。原資料の意味「けつかうな」。小さい「っ」に統一せず原表記を残す。/国立国語研究所 全国方言分布調査(2010〜2015年)磐田市地点:質問「うつくしい(美しい)」の注記にケッコイの記録(data-ID 51041)。原注:〈晴着はケッコイと言う。年寄りなら虹でもケッコイと言うかもしれない〉
記事磐田ことば資料室
自転車。浜松など天竜川以西で多く聞かれ、川の東では少ないとされる。磐田から見ると「川向こう」のことばでもある。
解説名古屋方言から広がった比較的新しい語(新方言)とする説明が多い。天竜川の西で多く東で少ないとされるのは、名古屋・三河からの伝わり方を反映している可能性がある。
記事天竜川を渡る
言う。やや乱暴な言い方。「やっきりこく」「うそこく」のように他の語とも結びつく。
資料『静岡県磐田郡誌』1921年、1246頁・旧袋井町に「こく」の記録。原資料の意味「いふ」。原注は「言ふ」の意味と、罵言的な用い方を説明する。
記事磐田ことば資料室
(粉や沈殿物が)底にたまる、沈む。
資料『静岡県磐田郡誌』1921年、1246頁・旧於保村に「こぞむ」の記録。原資料の意味「しづむ」。辞典の「こずむ」と語形が異なる。原表記の濁点を確認。
記事磐田ことば資料室
せいせいする、気分がすっきりする。
解説『えーらしぞーか』(2007年)は「〜ぽい」で終わる静岡の方言を一群として取り上げている。
資料『静岡県磐田郡誌』1921年、1246頁・旧於保村に「ごせつぽい」の記録。原資料の意味「すが/\し」。原文の繰返し記号を「/\」で表した。原注は安心したさまを表す説明。
記事磐田ことば資料室
(食べ物などが)硬い。恐怖の意ではなく、餅などの物理的な硬さを指す。
解説古語の「こはし(強し)」に連なる語で、「こわめし(強飯)」の「こわ」と同じである。古い意味が方言に残った例とされる。
実家、生まれ育った家やその土地。「お在所」とも。
解説本来は「住んでいる所・故郷」を意味する語で、古くから文献に見える。遠州では、実家やふるさとの意で日常的に使う。
〜ごと、〜全部。残さず全体を、の意。「まるさら」で丸ごと。
資料国立国語研究所 全国方言分布調査(2010〜2015年)磐田市地点:質問「ごと:皮ごと〈食べた〉(対象の包括化)」にカワサラの回答(data-ID 89328)。原注:(ゆ)
〜じゃない、〜だよね。同意を求めたり、話を次へ繋いだりする。「じゃんか」は念押し・詰問。
水気が多い、汁気が多い。
資料『静岡県磐田郡誌』1921年、1246頁・旧袋井町に「じるい」の記録。原資料の意味「やはらかい」。道の泥濘にも使う旨の原注。辞典の「じゅるい」と語形が異なる。
記事磐田ことば資料室
しょうがない、仕方がない。諦めの気持ちから、軽い非難まで幅広く使う。
解説「しょうがない」がつづまった形。静岡県全体で使われ、県民がよく自覚している方言の一つである。
分家。本家(ほんや)から分かれて建てた家。家の呼び名として集落の会話に残る。
解説対になる語は「本家(ほんや)」。家の続柄が日常の呼び名になっていたことを示す語である。
資料国立国語研究所 全国方言分布調査(2010〜2015年)磐田市地点:質問「ぶんけ(分家)」にシンヤの回答(data-ID 36223)
〜だろう。古くから記録のある推量表現。「だら」「ら」と並ぶ言い方。
解説郡誌では1921年の袋井町に「ずら」の記録がある。国研の磐田市地点の「センセーズラ」には、調査者が語形を示した回答で、話者が使うことは少ないという注記が付く。市全域の世代別使用率を示すものではない。
資料『静岡県磐田郡誌』1921年、1247頁・旧袋井町に「ずら」の記録。原資料の意味「だらう」。原注には「さうだらう」を「さうずら」とする用例。/国立国語研究所 全国方言分布調査(2010〜2015年)磐田市地点:質問「先生だろう」にセンセーズラの回答(data-ID 119897)。原注:(ゆ)〈少〉/国立国語研究所 全国方言分布調査(2010〜2015年)磐田市地点:質問「行くのだろう」にイクズラの回答(data-ID 121427)
つつく、いじる、触る。
解説古語の「せせる(つつく・ほじる)」に連なる語で、全国の方言に広く残る。
定規、物差し。「線引き」から。静岡で広く使われる。
解説国研の磐田市地点では「定規」に「センヒキ」と回答し、話者は子供の頃には「モノサシ」と言ったと注記している。一つの地点の回答から、市全体の学校や世代別の使用率は判断できない。
資料国立国語研究所 全国方言分布調査(2010〜2015年)磐田市地点:質問「じょうぎ(定規)」にセンヒキの回答(data-ID 25230)。原注:〈子供の頃はモノサシと言った〉
〜だから。理由を述べる。名詞・形容動詞には「だで」、動詞・形容詞には「で」が付く。「だもんで」より短い形。
資料国立国語研究所 全国方言分布調査(2010〜2015年)磐田市地点:質問「降っているから」にフッテルデの回答(data-ID 90680)
記事磐田ことば資料室
〜だよ、〜なんだよ。断定や情報提供。名詞・形容動詞に付く。「に」より主張や念押しが強い。文の途中に置くと「〜のに」という逆接になり、「違うだに、なんで直さんだ(違うのに、なぜ直さないの)」のように使う。
〜だから、〜なので。理由を、押しつけずやわらかく述べる。静岡・遠州を代表する接続表現。形容詞には「もんで」。
〜だろう、〜でしょう。推量や確認を求めるときの語尾。遠州弁を代表する言い回し。
解説国研の磐田市1地点では「先生だろう」に「センセーダラ」「センセーズラ」、「行くのだろう」に「イクラ」「イクダラ」「イクズラ」が記録されている。回答条件は下の資料欄と本編の原注を参照。
資料国立国語研究所 全国方言分布調査(2010〜2015年)磐田市地点:質問「先生だろう」にセンセーダラの回答(data-ID 119895)/国立国語研究所 全国方言分布調査(2010〜2015年)磐田市地点:質問「行くのだろう」にイクダラの回答(data-ID 121426)
内出血する。打撲などで皮膚の下が鬱血し、変色した状態。
資料国立国語研究所 全国方言分布調査(2010〜2015年)磐田市地点:質問「あざ(痣):内出血」にチカ゜シンダの回答(data-ID 23106)
ふざける、おどける。
資料『静岡県磐田郡誌』1921年、1249頁・旧於保村に「ちようける」の記録。原資料の意味「ふざける」。小書き仮名を使わない原表記。
記事磐田ことば資料室
ふてくされる、すねる、へそを曲げる。激しい怒りではなく、どこか愛嬌のあるすね方。
〜ている。動作の進行や結果の状態を表す。湖西・西遠で優勢で、東遠ではあまり使われないとされる。磐田では「〜てる」と併存しているとみられる。
のろい、鈍い、気が利かない。
資料『静岡県磐田郡誌』1921年、1249頁・旧福島村に「とろい」の記録。原資料の意味「のろい」。
記事磐田ことば資料室
〜しなさい。動詞の連用形に付く(「書きない」「起きない」)。否定の「ない」ではなく、やわらかな命令。
資料国立国語研究所 全国方言分布調査(2010〜2015年)磐田市地点:質問「起きろ」にオキナナイの回答(data-ID 70018)。原注:〈オキョー(ゆ)とは言わない〉
記事磐田ことば資料室
ダンベイキサゴ。遠州灘の砂浜にすむ食用の巻き貝。
解説千葉県の九十九里などでも同じ呼び名がある。遠州灘に面した福田・竜洋の浜の暮らしとかかわる語である。
〜なかった。過去の否定を表す形。「行かなかった」に対する国研の磐田市地点の回答に「イカナンダ」がある。
資料国立国語研究所 全国方言分布調査(2010〜2015年)磐田市地点:質問「行かなかった」にイカナンダの回答(data-ID 64329)
灰。
資料『静岡県磐田郡誌』1921年、1250頁・旧袋井町に「はいぼ」の記録。原資料の意味「はひ」。原注「灰」。
記事磐田ことば資料室
まぶしい。日照の強い遠州の、夏のカンカン照りの眩しさを表す。「ひどろしい」とも。
イヌマキ(犬槙)。細い葉からの呼び名とみられる。遠州の屋敷の生垣・防風垣に多い木。
解説遠州の平野部では、冬の西風(からっ風)を防ぐ槙の垣根が屋敷を囲む景観が見られる。暮らしの景色がそのまま語彙に残った例といえる。その赤い実を「やんぞうこんぞう」と呼ぶこともあるとされる。
ほったらかす、放置する、無視する。軽い非難を含む。
資料『静岡県磐田郡誌』1921年、1252頁・旧於保村に「ほつぽかす」の記録。原資料の意味「ほうりだす」。原注「投出す」。辞典に掲げる「放置する」との意味の違いに注意。
記事磐田ことば資料室
本家。「新家(しんや)」の対。標準語と同じ字だが、読みが「ほんや」となる。
資料国立国語研究所 全国方言分布調査(2010〜2015年)磐田市地点:質問「ほんけ(本家)」にホンヤの回答(data-ID 35523)
〜しよう、〜しようじゃないか。相手を誘う形。「行かまい」「やらまいか」。
解説誘いの言い方は一つではない。国研の磐田市地点では「行こうよ」に「イコーヨ」「イカザー」が記録され、後者には強く誘う場合に使うという注記がある。「まい」と「ざあ」を県内の地域だけで一律に区切らない。
まめだ、労をいとわずよく働く、こまめだ。
解説静岡方言の「まめったい」は、語の意味の移り変わりが研究の対象にもなってきた。人により意味の幅があるため、文脈で判断したい。
幼い、未熟な。
解説川根茶の産地資料では、若く柔らかい新芽を「みる芽」と呼び、「若い・未熟」を意味する方言「みるい」と結びつけて説明している。茶の用法と人の幼さを表す用法の、どちらが先かは、この資料だけでは確定できない。
腹が立つ、いらいらする。直接ぶつけられず、諦めまじりに愚痴としてこぼすような、鬱屈した怒り。「やっきりする」とも。
資料『静岡県磐田郡誌』1921年、1253頁・旧袋井町に「やつきりする」の記録。原資料の意味「ぢれつたくおもふ」。辞典の別形「やっきりする」と比較できる。
記事磐田ことば資料室
うっとうしい、わずらわしい、じれったい。髪が目にかかるような、もどかしい不快感にも使う。
〜だろう、〜でしょ。「だら」と同じく確認・同意を求める。語尾を伸ばして「らぁ」とも。動詞・形容詞に付きやすい。
資料『静岡県磐田郡誌』1921年、1253頁・旧袋井町に「ら」の記録。原資料の意味「だらう」。/国立国語研究所 全国方言分布調査(2010〜2015年)磐田市地点:質問「行くだろう」にイクラの回答(data-ID 120660)。原注:〈多〉/国立国語研究所 全国方言分布調査(2010〜2015年)磐田市地点:質問「行くのだろう」にイクラの回答(data-ID 121425)
磐田を中心とする中遠地域は、日本語の東西方言が交わる「漸移地帯」にある。否定に西日本ふうの「〜ん」を使う一方、東日本の特徴も併せ持つ。天竜川の東西、中遠と東遠でも少しずつことばが変わる、連続体としての方言である。同じ遠州弁でも、浜松・袋井・磐田で違いがあり、世代によっても使い方が移ろっている。
語尾でわかる、遠州弁。 遠州弁らしさは、文末に最もよく表れる。同じ「〜だろう」でも、確信の度合いや相手への配慮によって「ずら・だら・ら」を使い分け、さらにイントネーションでニュアンスが変わる。国研の磐田市1地点には三つの形が記録されている。これだけで現在の世代別使用率は判断できない(原回答と注記を読む)。
| 言い方 | 意味・はたらき | 例 |
|---|---|---|
| だら/ら | 〜だろう、〜でしょ。推量・確認を求める。遠州弁の代表格。 | 行くら?=行くでしょ? |
| ずら | 〜だろう。古くからの推量表現。郡誌と国研の記録があり、回答には提示語形や使用頻度の注記も付く。 | そうずらなあ。=そうだろうなあ。 |
| だに/に | 〜だよ、〜なんだよ。断定・念押し。名詞・形容動詞には「だに」、動詞・形容詞には「に」。 | 明日から10月だに。/早いに。 |
| だもんで | 〜だから。理由を、押しつけずやわらかく述べる。静岡を代表する接続表現。 | 雨だもんで、傘持ってきな。 |
| じゃんね/じゃんか | 〜じゃない。同意を求めたり、話を次へ繋ぐ。「じゃんか」は念押し・詰問。 | 昨日さ、〜だったじゃんね。 |
| け | 〜か。「〜か?」の角を取り、やわらかく問う。 | これけ?=これなの? |
否定・推量・命令・誘い。 文法の核は、否定・推量・勧誘・命令にある。否定は西日本ふうの「〜ん」。過去否定には「〜なんだ」「〜んかった」などの形がある。国研の磐田市地点には「イカナンダ」が記録されている。誘いの「〜まい」、やわらかい命令の「〜りん/〜きん」「〜ない」「〜ごう」も特徴的である。
| はたらき | 遠州弁 | 例 |
|---|---|---|
| 否定 | 〜ん | 行かん=行かない |
| 過去否定 | 〜んかった/〜なんだ | 降らなんだ=降らなかった |
| 可能(ら抜き・れ足す) | 食べれる/行けれる | これ食べれる?/一人で行けれる |
| 強い不可能 | 〜やせん/〜れやせん | そんなん行けやせん=到底行けない |
| 勧誘 | 〜まい(か)/やらまい | みんなでやらまい=みんなでやろう |
| やわらか命令 | 〜ない/〜ごう/〜りん | 食べてごぅ/早く起きない |
「ん」に集まる助詞、品詞のつくりかえ。 会話のテンポを重んじて、格助詞「が・の・を・に」がしばしば落ちたり、撥音「ん」に置きかわったりする。また、形容動詞の語尾に「い」を付けて形容詞にする、独特の言い回しもある。
| 種類 | 標準語 → 遠州弁 |
|---|---|
| 助詞が「ん」に | 雨が降ってきた → 雨ん降ってきた |
| 俺の手ぬぐい → 俺ん手ぬぐい | |
| 大工になった → 大工んなった | |
| 形容動詞→形容詞 | 横着な → 横着い/上手な → 上手い(じょうずい) |
| 賑やかな → 賑やかい/丈夫な → 丈夫い |
「イワタ」のアクセント。 遠州では、ことばの最初の音を強く言う「頭高型」が好まれる。標準語では平板に言う「あくび」も、遠州では「あ」を強く言う。地名でもこの傾向は強い。「磐田」を、全国的な放送では平板に「イワタ」と読むが、地元では「イ」を強く言う頭高型の「イワタ」である。
「やらまいか」── ことばに宿る気質。 遠州人の気質を最もよく表すのが「やらまいか(一緒にやろうじゃないか、とにかくやってみよう)」である。失敗を恐れず新しいことに挑む進取の気性を表し、ヤマハやスズキといった企業を生んだ風土の支柱ともいわれる。一方で、「いいにする」「やっきりこく」「しょんない」といった言葉には、対立を避け、穏やかに物事を収めようとする心性もにじむ。挑む気概と、和を尊ぶやわらかさ。その両方が、遠州のことばには息づいている。
遠州弁を、もう一歩深く
「もっと知りたい」という声をいただいた。辞典に並べた言葉が、遠州のどこで、どのように使われ、どう調べられてきたのか。この頁では、ことばの地図、東と西の境目、音のしくみ、そして研究の歩みをたどる。辞典が「引く」ための頁なら、こちらは「読む」ための頁である。
ことばの地図 ── 遠州弁のなかの磐田
遠州弁は一枚岩ではない。遠州弁の概説では、遠州をおおむね次の6つに分けて説明することが多い(区分の名称や範囲は解説によって多少異なる)。磐田はこのうち中遠にあたる。
| 地区 | おもな範囲 | ことばの傾向 |
|---|---|---|
| 湖西 | 湖西市 | 愛知県に接し、三河のことばに近い |
| 北遠 | 浜松市天竜区の山間部 | 古い言い方がよく残るとされる |
| 西遠 | 浜松市の平野部 | 一般に「遠州弁」として知られる形 |
| 中遠 | 磐田市・袋井市・森町など | 西遠と東遠のあいだ。両方の特徴が重なる |
| 東遠 | 掛川市から大井川まで | 駿河(静岡市など)のことばに近づく |
| 南遠 | 御前崎市など沿岸部 | 沿岸部としての特色をもつとされる |
地区の境目には川がある。天竜川は、磐田と浜松を分ける川であると同時に、ことばの境目としても現れる。辞典に加えた「けった(自転車)」は天竜川の西で多く、東では少ないとされる。橋が架かるまで、この大河は渡船でしか越えられなかった(天竜川を渡る ── 渡船・助郷・橋の三百年)。往来が川で区切られていたことが、語彙の分かれ目に関わっている可能性がある。ただし、これは推定にとどまる。
東の境目は大井川である。掛川から大井川までの東遠は、アクセントも母音の響きも駿河に近い。天竜川と大井川にはさまれた中遠は、遠州のなかでも「あいだ」のことばを話す土地だといえる。
東と西の境目 ── 指標で見る遠州弁
日本語の東西の方言は、教科書ではしばしば「糸魚川・浜名湖線」を境にして説明される。ところが遠州は、この線のすぐ東にありながら、西日本ふうの言い方をいくつも持っている。項目ごとに東西どちらの形をとるかを並べると、遠州弁の立ち位置が見えてくる。
| 指標 | 東日本型 | 西日本型 | 遠州(磐田) |
|---|---|---|---|
| 打消し | 行かない | 行かん | 行かん(西) |
| 断定 | 雨だ | 雨や・雨じゃ | 雨だ(東) |
| 進行・状態 | 降ってる | 降っとる | 降っとる/降ってる(併存とみられる) |
| 誘い | 行こう(駿河では「行かざあ」) | やろまい(尾張など) | 行かまい(西寄り) |
| アクセント | 東京式 | 京阪式 | 東京式(東) |
打消しの「ん」と「ない」の境は、大井川の近く、島田のあたりにあるとされる。「ん」は浜名湖の線を越えて、東へ大きく張り出しているのである。静岡県内でも、静岡市では「行かない」、磐田では「行かん」となる。一方で、断定の「だ」とアクセントは東日本の型である。文の骨組みは東、打消しや誘いの言い回しは西。遠州弁は、いくつもの境界線が少しずつずれて通り抜けていく土地のことばである。
磐田には東海道の見付宿があり、東西の人と物が行き交う道筋にあった(磐田の街道と宿場を総合する)。ことばの混じり合いを街道だけで説明することはできないが、往来の多い土地であったことは、東西の要素が重なる背景の一つとして考えてよいだろう。
学説の整理 ── 遠州弁は「東」の方言か
遠州弁を日本語の方言区画のどこに置くかについては、重心の置き方が異なる二つの見方がある。
見方A:東部方言に含める(古典的な方言区画)
東条操による古典的な方言区画では、静岡県のことばは東部方言の「東海東山方言」に含まれ、長野・山梨とともに「ナヤシ方言」とまとめられる。根拠は、東京式アクセントであること、断定に「だ」を使うことなど、ことばの骨格が東日本の型に属する点にある。弱点は、打消しの「ん」、誘いの「まい」、「〜とる」といった西日本的な特徴が遠州に多いことを、区画の上では説明しにくい点である。
見方B:東西の漸移地帯とみる(方言地理学の立場)
国立国語研究所『方言文法全国地図』などで項目ごとの分布を重ねると、東西を分ける線は一本ではなく、項目によって位置がずれる。遠州はその線が束になって通る帯の中にあり、「東でも西でもない、移り変わりの土地」とみる見方である。根拠は分布そのものにあり、実態をよく写している。弱点は、漸移地帯という言い方が区画の線を引かないため、どこまでを遠州弁と呼ぶかがかえって曖昧になる点である。
本稿の立場
二つの見方は、対立というより見る粒度の違いである。本稿では、区画としては東部方言に置き、そのうえで個々の語法には西日本との連続が色濃い、と両方を併記する。「文法と語法」の冒頭で遠州弁を「漸移地帯」のことばと書いたのは、見方Bに立った説明である。
音のしくみ ── アクセントと音の変化
遠州のアクセントは東京式だが、東京とまったく同じではない。平山輝男ほか編『静岡県のことば』(2002年)などの整理によれば、袋井から浜松にかけては「外輪東京式」、掛川から大井川までは「中輪東京式」、湖西は型の区別が少ない東京式とされる。磐田は外輪東京式の地域に入る。
| ことば | 東京 | 遠州(中遠・西遠) |
|---|---|---|
| 暑い・痛い(3拍の形容詞の一群) | アツ\イ(中高) | ア\ツイ(頭高) |
| 起きる(3拍の一段動詞) | オキ\ル(中高) | オ\キル(頭高) |
| 西・東・南 | ニシ(平板) | ニ\シ(頭高) |
表の「\」は、その直後で音が下がる位置を示す。3拍の形容詞のうち「暑い」「痛い」などの一群が頭高になるのは中遠・西遠の特徴で、東遠や湖西では中高になるとされる。「起きる」のような3拍の一段動詞の頭高は、静岡県に特有の型といわれる。辞典の文法欄で触れた「イワタ」の頭高も、この傾向の延長にある。
音の変化では、サ行の動詞に起こる「イ音便」が目立つ。「写した」が「写いた」、「燃やした」が「燃やいた」になる。ただし「貸す」「消す」のような2拍の動詞では起こりにくい。また、外輪東京式の地域では、「きく」「すし」などの母音が弱まる無声化がやや活発とされる。
打消しと逆接の、細かな使い分け
文法欄で示した打消しの「ん」には、過去や可能と組み合わさると、さらに細かな形がある。逆接(〜けれど)の言い方も、遠州のなかで地域差がある。
| はたらき | 形 | 例と注 |
|---|---|---|
| 過去の打消し | 〜なんだ | 降らなんだ。古い形で、高齢層に多い |
| 〜んかった | 降らんかった。現在の世代別の広がりには別途調査が必要 | |
| 〜んけ | 降らんけ。中遠・東遠で使われるとされる | |
| できない | 行けん/見れん | 五段動詞は「行けん」、一段動詞は「見れん」(ら抜き) |
| 見れれん | 「れ足す」形の打消し | |
| 迷惑をこめた打消し | 〜やせん | 行きやせん。「行くものか」という気持ちがにじむ |
| 逆接(〜けれど・〜のに) | だに | 違うだに、なんで直さんだ。=違うのに、なぜ直さないの |
| けんが/けえが/けん | 行きたいけんが、暇がない。中遠・東遠で使われるとされる |
「だに」は、文末では「〜だよ」という断定・念押しになるが、文中に置くと「〜のに」という逆接になる。同じ形が位置によって働きを変えるのも、遠州弁の面白さである。
学説の整理 ── 「やらまいか」は誘いか、気質か
文法欄で紹介した「やらまいか」には、二つの読み方がある。
読みA:誘いの語法(文法上の意味)
「まい」は動詞の未然形に付く誘いの形で、「行かまい」は「行こう」、「やらまいか」は「一緒にやろうじゃないか」である。根拠は語法そのものにあり、方言の記述としては揺るがない。弱点というより限界として、この読みだけでは、なぜこの一語が地域の合言葉になったのかは説明できない。
読みB:挑戦の気質(地域の自己像)
「とにかくやってみよう」「やってやろうじゃないか」と、自らを鼓舞する言葉として受け止める読み方である。浜松を中心に、ものづくりの企業を生んだ進取の気性を表す言葉として語られ、地域の標語としても用いられてきたといわれる。弱点は、誘いの「まい」を自分の意志の表明として読みかえている点で、本来の語法からは離れていると指摘されることがある。
本稿の立場
本稿では、語法としての意味は読みA、地域が自らを語る言葉としての広がりは読みB、と区別して扱う。後者を誤用として退けるのではなく、ことばが地域の自己像を担うようになった過程そのものを、遠州の近代の記憶として記録しておきたい。
磐田で記録されてきた方言
方言は、辞典や研究書だけでなく、地域の人びとの手でも記録されてきた。磐田市立図書館の資料案内「磐田の方言」(解説シート③、平成26年度作成)は、市内各地区でまとめられた冊子として次のものを挙げている。
この解説シートで確認できるのは資料名と案内区分であり、個々の語の意味や分布ではない。語義や地域差を確かめるには、紹介されている各冊の本文まで確認する必要がある。
最後の書名は、それ自体が遠州弁の見本になっている。「おらん生まれた」は「おれが生まれた」、「長野ん方言」は「長野の方言」。文法欄で見た、助詞が「ん」に集まる現象が、そのまま題名になっているのである。同じ案内は、県域の資料として『静岡方言辞典』『静岡県の方言』『静岡県のことば』『天竜川・大井川流域の言語分布』などを、隣接地の音声資料として袋井市の『浅羽の方言いろいろ』を紹介している。
こうした地区の方言集は、土地の言葉をもっとも近くで写した記録であり、方言研究にとっては一次資料に近い価値をもつ。一方で、話者の年齢や採録の年代、どの集落の言葉かが明記されていないものもあり、ある語が「磐田全体の言葉」なのか「その地区の言葉」なのかは、書き留められた条件を確かめて読む必要がある。地名が大字や集落ごとに異なるのと同じく、ことばも小さな単位で違っている(地名から磐田を読む)。祭りや年中行事の場には、そこでしか使われない言葉も残る(磐田の民俗と信仰を総合する)。
オンラインで本文・地点を照合できる資料
市内の冊子そのものとは別に、公開資料から語形と採録範囲を照合することもできる。磐田市立中央図書館が国立国会図書館のレファレンス協同データベースへ登録した「遠州弁」についての回答は、市内を天竜川東側の「川東」と位置づけ、上の4冊に『俺ん地方の方言集』『豊田町の方言』を加えた6冊を紹介している。
国立国会図書館デジタルコレクションで全文公開されている静岡県磐田郡教育会編『静岡県磐田郡誌』第23章「風俗」第7節「方言」(1921年、1242〜1254頁)には、語形・意味と旧町村名が並ぶ。「あんもう(餅)」(1242頁)のほか、追加語では「こく(言ふ)」(1246頁)、「ちょうける(ふざける)」(1249頁)、「はいぼ(灰)」(1250頁)の語形と中心的な意味を確認できる。ただし、当時の磐田郡は現在の磐田市より広く、各語の右に記された旧町村名を無視して「磐田市全体の語」とは扱えない。
国立国語研究所の全国方言分布調査(2010〜2015年)の公開データには、磐田市1地点の回答が287件ある。質問「定規」への「センヒキ」、質問「先生だろう」への「センセーダラ」「センセーズラ」、質問「行くのだろう」への「イクラ」「イクダラ」「イクズラ」を確認できる。追加語の「本家(ほんや)」「新家(しんや)」も、質問L-41「ほんけ(本家)」への「ホンヤ」、L-42「ぶんけ(分家)」への「シンヤ」と対応する。これは回答語形と市名を直接結ぶ根拠になる一方、1地点の調査なので、市内の地区差や現在の使用頻度までは示さない。
語彙の成り立ち ── 古いことば、暮らしのことば、新しいことば
辞典に並べた語は、出自で見ると大きく三つに分けられる。一つは、かつて都でも使われた古い語が、意味をとどめたまま土地に残ったもの。二つ目は、茶・農・漁・家といった暮らしの場から生まれたもの。三つ目は、比較的近年に周辺から入ってきた新しい語である。分類はあくまで本稿の整理であり、語源が確定していない語も含む。
| 成り立ち | 語の例 | 手がかり |
|---|---|---|
| 古語の残存 | こわい(硬い)/おぞい(粗末な)/せせる(つつく)/在所(実家) | 「こわい」は古語「こはし(強し)」、「こわめし」の「こわ」と同じとされる。古い意味が標準語では失われ、方言に残った例である |
| 茶業との関わり | みるい(幼い) | 川根茶の産地資料は、若く柔らかい新芽を「みる芽」と呼ぶ。茶と人に用いる意味の関係を考える手がかりになるが、意味が広がった順序までは確定できない |
| 屋敷と家 | ほそば(イヌマキ)/新家(しんや)・本家(ほんや)/在所 | 槙の生垣が屋敷を囲む景観、本家・分家の続柄が日常の呼び名として生きていたことを映す |
| 浜と川 | ながらみ(ダンベイキサゴ)/けった(自転車) | 遠州灘の浜の暮らし。「けった」は天竜川の西に多いとされる |
| 新方言 | けった | 名古屋方言から広がった比較的新しい語と説明されることが多い |
古語の残存は、方言研究で古くから注目されてきた現象である。都で生まれた語が周辺へ広がり、中心では新しい言い方に置きかわっても、周辺には古い形が残る。ただし遠州は東海道の往来が盛んな土地で、古い語がただ「取り残された」とみるのは単純にすぎる。往来のなかで新旧の語が重なり合った結果とみるほうが、実態に近いだろう。磐田の地名にも同じように古い層が重なっている(地名から磐田を読む)。
「気づかない方言」と、ことばの継承
方言のなかには、話し手が標準語だと思いこんで使っている語がある。方言学で「気づかない方言」と呼ばれるものである。遠州でいえば、定規を言う「せんひき」がその代表だろう。国立国語研究所の全国方言分布調査(2010〜2015年)でも、磐田市の地点で「定規」に「センヒキ」の回答が記録されている。学校で使う文房具の名だけに、進学や就職で県外へ出て初めて方言だと知る、という話がよく語られる。
反対に、話し手がはっきり方言と自覚している語もある。静岡新聞の報道によれば、静岡県立大学の谷口ジョイ教授の研究室が2024年に県内1,770人を対象に行った調査では、「いいにする」の中止・妥協・許容・中断の4つの意味のすべてで、9割以上が「使う」または「わかる」と答えた。同じ報道は、「やっきりする」「おだっくい」「ごせっぽい」などは若い世代であまり使われなくなっているとも伝えている。
ことばの継承は一様ではない。生活の場面に結びついた語は残りやすく、道具や生業が変われば語も消えていく。茶の「みる芽」のように、同じことばに結びつく用法を知ることは、暮らしとの関わりを考える手がかりになる。この辞典に古い語と新しい語を並べて残すのは、そうした移り変わりの途中を記録しておくためでもある。暮らしの記録は、民俗や信仰の記録とも重なり合う(磐田の民俗と信仰を総合する)。
この辞典の引き方
見つからない場合は、近い読みの語を候補として表示する。それでも見つからない語は、まだ辞典に入っていない語である。地区や世代によって形が違う語も多いため、お気づきの点は掲示板などでお寄せいただければ、少しずつ書き加えていきたい。
研究の歩み
遠州弁を含む静岡県の方言は、全国規模の調査と地域の記録の両面から明らかにされてきた。全国規模では、東条操の方言区画が遠州を東部方言に位置づけ、国立国語研究所の『日本言語地図』(1966〜1974年)と『方言文法全国地図』(1989〜2006年)が、語彙と文法の分布を地図に落とした。中部地方の方言の概説としては『講座方言学6 中部地方の方言』(国書刊行会、1983年)がある。県単位の辞典としては、明治42年(1909年)の原本を復刻した『静岡県方言辞典』(国書刊行会、1975年)が約4,000語を五十音順に収め、静岡県方言研究会ほか『図説静岡県方言辞典』(吉見書店、1987年)が県内79地点・700項目の分布を図表にした。『えーらしぞーか 静岡県方言誌』(静岡新聞社、2007年)は1,226語を全国分布の型で分類している。県単位のまとまった記述としては、平山輝男ほか編『日本のことばシリーズ22 静岡県のことば』(明治書院、2002年)が、区画・アクセント・文法・語彙を通覧している。ただし、全国調査の地点は市町村に一つか二つにとどまることが多く、磐田市内の地区ごとの違いまでは拾いきれない。その隙間を埋めるのが、前節の地区の方言集である。
用語解説
遠州弁かるた122枚:磐田物語(2026年10月12日公開、生成AIを用いて新規制作)。絵札は作例の場面を描いたもので、語の使われ方や地域を示す資料ではない。「磐田ことば調査」の集計は読者の自己申告による参考値である。
絵札の利用について 学校・公民館・図書館・介護施設・地域の集まりなどでの非営利の利用(授業の教材、かるた会、掲示、印刷して配る など)は、申し出なしで自由に使ってよい。その際は「出典:磐田物語 遠州弁辞典(https://iwata-monogatari.net/c006)」と明記してほしい。販売・商品化・有料の講座や催しなど営利での利用は、事前に運営者(富士ヶ丘サービス株式会社 0538-31-3308)へ相談されたい。この条件は遠州弁かるたの絵札・読み札に限り、佐口行正氏所蔵史料には適用されない。
主な参考資料
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古い地名や集落の成り立ちを調べていると、 家や土地には、登記簿だけでは分からない地域の記憶が残っていることがあります。
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