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磐田物語福田地区 / 福田村村役人表

福田・江戸時代の村役人 | 慶長9年〜慶応4年

福田村村役人表 ── 庄屋・組頭・百姓代、慶長9年から慶応4年へ

庄屋・組頭・百姓代は「村の三役」と呼ばれ、江戸時代の福田村を治めた。慶長9年(1604年)から慶応4年(1868年)にいたる264年間、村役人を務めた家々の名を、福田村五人組帳と同じ寺田勝彦編の資料集からたどる。

庄屋、組頭、百姓代――福田村では、この三つの役職をあわせて「村役人」あるいは「村の三役」と呼んだ。庄屋は代官所の許可が必要な役、組頭・百姓代は村人の互選による役であったとされる。慶長9年(1604年)から慶応4年(1868年)にいたる福田村村役人表が、寺田勝彦編「福田の郷土史探訪」別冊第五集に「古文書より拾う」として収録されている。

本稿の要点

公式情報の整理

資料名
「福田の郷土史探訪」別冊第五集「遠江国福田村五人組帳」内「福田村村役人表」
編集・発行
寺田勝彦(福田町)、印刷 亀泉崖堂印刷社
発行日
昭和62年(1987年)12月20日印刷・同月25日発行
収録期間
慶長9年(1604年)〜慶応4年(1868年)、264年間
出典
編者による「古文書より拾う」形での集成

村の三役 ── 庄屋・組頭・百姓代

庄屋は、村を代表して年貢の徴収や検地の立ち会いなど、代官所とのやり取りを担う責任者であった。福田村の庄屋は、村役人表に見る限り彦八・彦八郎、兵三郎といった名が世代を超えて繰り返し現れており、特定の家が事実上代を継いで庄屋を務め続けてきたことがうかがえる。

組頭は、庄屋の下で事務や年貢収納の手助けをすることが仕事で、五人組頭の中から互選によって選ばれたとみられる。江戸時代末期になると組頭の人数は増加していったが、庄屋になるには代官所の許可が必要だったのに対し、組頭は届け出があれば足りたとされる。いずれにしても、組頭に選ばれることは村にとって名誉なことであった、と編者は記している。

百姓代は、全国的に見ても後の時代になってつくられた役職で、庄屋・組頭の不正を見張る役目を担った。「百姓代は気骨のある人でないと勤まりませんでした」と編者は記している。

福田村村役人表(古文書より拾う・抜粋)
年号庄屋組頭(抜粋)百姓代
慶長9年(1604)四郎馬五郎兵衛
慶安2年(1649)久太郎五郎兵衛・十太夫・太郎右衛門ほか
延宝8年(1680)兵三郎左近四郎・忠兵衛・太兵衛ほか
宝永3年(1706)彦八郎源六郎・忠兵衛・太郎右衛門ほか長五郎
正徳元年(1711)彦八郎源六・忠兵衛・太郎右衛門ほか十太夫
享保3年(1718)兵三郎源六・忠兵衛・太郎右衛門ほか
延享3年(1746)兵三郎源六・忠兵衛・太兵衛ほか伝衛門・忠三郎
明和7年(1769)平内伊右衛門・太郎右衛門ほか四郎右衛門・金右衛門
寛政9年(1797)彦八平内・直右衛門・太郎右衛門ほか四郎右衛門・儀右衛門
享和元年(1801)彦八伊右衛門・太郎右衛門・惣七角兵衛・九郎右衛門
天保10年(1839)兵三郎弥三郎・源八・惣八ほか八太夫
天保13年(1842)兵三郎喜太夫・源六・忠三郎ほか吉左衛門
弘化2年(1845)兵三郎喜太夫・八太夫・清太夫ほか友三郎
慶応4年(1868)彦八郎清太夫・八太夫・徳左衛門弥七

表からは、彦八・彦八郎、兵三郎、忠兵衛、太郎右衛門、源六・源六郎といった名が、時代を超えて繰り返し現れることが読み取れる。同じ家が代を継いで庄屋・組頭を務め続けてきたことがうかがえ、村役人という役目が、特定の家に事実上受け継がれていく性格を持っていたことを示している。

「御縄」と村役人の責任

村役人には、罪を犯した者を捕らえる「御縄」と呼ばれる責任も課されていたと資料は伝える。福田村ではこの責任をめぐって、庄屋を務めた家が名指しで責めを負わされた出来事があったとみられ、五人組帳の「破船の積荷を盗んではならない」という条文とも関わりが深い。この点については判読が難しい箇所も多く、本稿では詳細な断定を避けるが、村役人が単なる名誉職ではなく、村の治安に対して重い責任を負う立場であったことは確かである。

四郎馬から彦八郎まで、264年にわたって村を治めた家々の名が、一枚の表に刻まれている。福田村の歴史は、こうした村役人たちの積み重ねの上に成り立っている。

参考資料

村役人表は編者が古文書から集成したもので、組頭・百姓代の全名を網羅したものではない。判読が難しい箇所は本稿でも要旨にとどめている。

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