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遠州福田まつり特集|子ページ2

屋台の工学と意匠

掛塚が動く美術館なら、福田は動く工学と美術館である。狭い路地と交差点に合わせて、屋台は独自の操舵と構造を発達させた。

確かなこと

平野式二軒屋台と丸ハンドル

「ひ組」「奴連」などが持つ平野式二軒屋台は、一般的な遠州屋台が一重屋根であるのに対し、本殿・拝殿を思わせる二重屋根構造を持つ。

ひ組の屋台には、建造当初から自動車のステアリングのような丸ハンドル式の楫装置が内蔵された。屋台小屋が中川に直接面し、狭い路地からの引き出しや交差点での精密な方向転換が必要だったため、物理的必然から生まれた工夫である。

平成4年(1992年)には、掛塚横町・大孝建築の棟梁、平野道男(信孝)が平野式屋台の解体修理に関与した。遠州各地の名工技術が福田にも投入されている。

意匠の図像学

鬼板・懸魚の「獅子の子落とし」、正面腰欄間「波に亀」、側面腰欄間「宝尽し」、側面欄間「琴高仙人」など、福田の屋台には故事や吉祥の意匠が重なる。天幕にも「ひちりき天女」「白ねずみの琴棋書画」、南島連の「水引き」「十二支の腰彫」など独創的な題材が見える。

これらは富の蓄積と、故事来歴に通じた町衆の教養を外部に示すメディアとして機能した。

参加する組・連

補助色は読み分けのための識別色であり、福田の各組に公式色が存在することを示すものではない。

組・連番組・地区特徴
い組1番組二輪屋台構造
ひ組2・3番組平野式二軒屋台。丸ハンドル式楫装置
宮組4・5番組伝統的な彫刻意匠
港連6の1・2・3番組複数番組による合同運行
む組7番組精緻な木彫刻
宮本八番組8番組中島神明宮祭礼との関連
天狗連9の1番組天狗の手踊り。精密な彫刻群
奴連9の2番組二軒屋台構造
おかめ連10の1・2番組比較的古い現行屋台
福助連10の3番組栄連としての活動記録も
新町連11番組新川建築舎等の技術関与
本町連12番組中島神明宮祭礼との関連
十三番町13番組資料により詳細確認
十四番町14番組資料により詳細確認
だるま連14番北組彫刻師・鈴木嘉一の関与
十五番町15番組資料により詳細確認
昭和組昭和地区白くてふわふわした般若の手踊りで著名
新田組新田東・中・西飛鳥工務店・小池建築の関与
石田組石田地区資料により詳細確認
豊田組豊田地区資料により詳細確認
南島鎌田神明宮最南端平成元年建造。彫刻は鈴木嘉一(秀雲)

名工の系譜

小池建築、飛鳥工務店、新川建築舎、鈴木嘉一(秀雲)、雨宮國雄、冬根系譜など、福田屋台には遠州・掛塚・浜松の職人ネットワークが濃く関わる。掛塚の彫長・彫常一門と人脈が重なる点は、港町同士の文化交流としても重要である。

編集メモ

屋台台数は20台超、21台、23台など資料により表記が揺れる。本ページでは特定年の台数として断定せず、祭礼年により編成が変動するものとして扱う。

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