確かなこと
- 福田囃子は大太鼓と横笛を中心とする。
- 昭和50年代中期に遠州福田囃子同好会が創立され、音楽体系が明確化された。
- 源流は近隣・遠州横須賀の「屋台下」の調子である。
- 初代会長は野栗晋氏、2代は寺田義幸氏、3代は木野哲氏である。
- 笛は横須賀の椿井流が中心とされる。
横須賀の調子を福田へ
初代会長の野栗晋氏らは、横須賀の叩き方をベースにしながら、福田の気質に合うようにアレンジし、専用譜面を作成した。近年は横須賀系や森町系、いわゆる森調を取り入れる組もあるが、創設当初の「昔ながらの福田らしい太鼓」を守る動きも根強い。
笛で重要なのは交代の「繋ぎ」である。正確なバトンタッチができて初めて、即興の装飾音が許される。
浮き樽の太鼓
同好会の太鼓の胴は、無垢材だけではなく、ロール状のベニヤ板や海の浮き樽を再利用して作られる。皮の代わりに丈夫な布を張り、締め縄まで自作する。ここには漁師町・港町ならではの合理主義がある。
練習拠点は、合併前は中央公民館、現在は副会長の工場であるソーイングDENOとされる。磐田市「綱の会」に所属し、いわた大祭り、敬老会慰問、元旦の初日の出イベントなどにも出演する。
手踊りとSNS時代
屋台上では「波に兎」「川中島」「汐汲み」などの踊り人形に加え、ひょっとこ、おかめ、天狗の面をつけた踊り手が欄干から身を乗り出すように舞う。
昭和組の般若の踊りは、白い髪を振り乱す姿が「白くてふわふわしたもの」としてSNSで拡散し、祭りと縁の薄かった層も惹きつけた。土着の熱気と、デジタルメディアで映える視覚性が同居する点に、現代の福田まつりの特異な魅力がある。
編集メモ
福田囃子は古くから変わらぬものではなく、横須賀系の調子を福田の身体感覚に合わせて組み直した音である。浮き樽の太鼓と般若の手踊りは、伝統が現場の工夫と現代の視線によって更新されることを示している。
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