地域の記憶を、次の世代へ手渡す

中泉地区 古代・国府と荘園

遠江国分寺まつり

遠江国分寺跡(史跡公園)

天平の国府を、いまに歩く

中泉10月下旬特別史跡(遠江国分寺跡)国司参拝行列第20回(2025年)

遠江国分寺まつりは、遠江国分寺跡を舞台に、約1300年前の国府の記憶を現代のまちで歩き直す地域行事である。天平衣装の国司参拝行列、酒井の太鼓、万葉歌会、蹴鞠、雅楽、そして駅前夜市が重なり、史跡公園と市街地を一日の動線で結ぶ。

確かなこと

  • 遠江国分寺は奈良時代、国分寺建立の詔により建てられた官寺の一つで、跡地は国の特別史跡である。
  • まつりは特別史跡の周知と、次世代への歴史文化の継承を目的に創設され、2025年に第20回を迎えた。
  • 国司一行の参拝行列を中心に、酒井の太鼓、万葉歌会、蹴鞠、雅楽、郷土芸能などが披露される。
  • 開催日には市街地で、いわた駅前夜市が連動開催される。

伝承として扱うこと

  • 国司一行の参拝行列は、古代の国府から国分寺へ向かう動線を現代のまちに重ねる演出であり、古代に同じ行列が連綿と続いてきたわけではない。
  • 酒井の太鼓・蹴鞠・万葉歌会などは、天平・戦国・現代の記憶を一つの史跡に呼び起こす現代の構成であり、この地に古来伝わってきた神事ではない。
  • 背景となる七重塔の威容や伽藍の姿は、発掘調査と復元構想に基づく推定像であり、確定した復元像ではない。

まつりの一日をたどる

午前
史跡公園のステージ

地元高校・中学の現代パフォーマンスで開幕する。特別史跡は、保護される過去の場であると同時に、若者の文化発表の舞台へ転換する。

10時15分ごろ
国司一行参拝行列

磐田駅北口から府八幡宮を経て国分寺跡へ、天平衣装の一行が歩く。古代の国府から国分寺へ向かう都市スケールを、現代の市街地に重ねる中心儀礼である。行列を詳しく読む

到着前後
太鼓・歌・雅楽

酒井の太鼓、万葉歌会、龍笛と篳篥の雅楽が史跡公園を満たす。天平、戦国、近代の継承が一つの空間で響き合う。時代の重なりを詳しく読む


講話・舞・解説・餅まき

行基大僧正の講話、越殿楽の舞、文化財課の発掘解説を経て、祝い餅まきで昼の部が結ばれる。学びと歓喜が同じ場に置かれる構成である。

夕から夜
駅前夜市へ

人の流れは再び駅前ジュビロードへ還流する。軽トラ市、キッチンカー、イルミネーション点灯式が、史跡公園の記憶を市街地のにぎわいへ接続する。夜市を詳しく読む

ひとつの祭りに、いくつもの時代が重なる

この祭りの魅力は、天平文化に閉じない点にある。国分寺・万葉・雅楽の天平の層、酒井の太鼓に象徴される戦国の層、蹴鞠とサッカーのまち磐田をつなぐ現代の層が、一つの史跡公園に重なる。史跡を過去の遺物として眺めるだけでなく、複数の時代の記憶を再起動させる装置として使うのである。

天平・戦国・現代の重なりを読む

史跡そのものを知るには

国分寺特集遠江国分寺とは何か史跡・古代史の入口。伽藍金堂とは何か中心建物を読む。七重塔七重塔とは何か塔の意味と景観。出土品遠江国分寺の瓦を読む瓦から建立を読む。

この祭りをさらに深く読む

子特集 1いくつもの時代が重なる天平・戦国・現代が出会う祭り。子特集 2国司参拝行列古代の都市を、いまの街に歩く。子特集 3史跡から夜市へまちをめぐる、もう一つの動線。関連府八幡宮と遠江国府の記憶行列が経由する府八幡宮を読む。地名国府台と府八幡宮国府所在地論を整理する。

同じ成り立ちの祭り ── 古代・国府と荘園

見付天神裸祭裸の群衆が、神を渡す夜府八幡宮例大祭国府の社に、二十町の山車が集う鎌田神明宮大祭伊勢の御厨、鎌の降った地
このページは史跡そのものの歴史を語り直すものではなく、現代のまつりの実態を読むものである。国分寺の伽藍・木装基壇・七重塔・瓦・復興構想は、遠江国分寺特集を正本とする。開催日、時刻、出店数、出演内容は年により変動するため、本特集では特定年の細部を固定せず、まつりの構造と意味を整理して記述した。

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